第472話
「まじでE〇F見たいな状況になってるな」
BR国の上空に到着。地上では巨大なアリが蟻酸を吐いて建物や戦車を人間ごと溶かしたり、高速で突進そのまま噛み付いて真っ二つにしたりと地獄絵図が広がっている。
ほんとにE〇Fをリアルに再現したような光景だ。
状況確認なんてしている場合じゃないな。
巨大アリ達の魔力はもう覚えた。
俺が到着したと分かりやすいように初撃は派手にいこう。
半径50m以上ある超巨大な火球を作り出して自分が飛んでいる高度より更に上空に投げる。
上空に投げられた火球は花火のように破裂。
何千にも分裂して小さくなった火球はどんどんスピードを増しながら地上に降り注ぐ。
適当に降らせているのでは無く。しっかり巨大アリに当たるようにルートを調整してある。
次いでに巨大アリ以外は少し暖かく感じる程度で害は無いように設定してあるので、近くに人がいても問題なしだ。
これで俺が感知出来た範囲の巨大アリはひとまず殲滅完了だ。
ただ、他のところから雪崩混んでくる可能性はあるし。
早いところ他の地域で暴れている巨大アリを倒しつつ巨大アリが出てくる裂け目が存在するポイントまで移動しないと。
移動する前に傷を治す効果のある炎の雨を1帯に降らせる。
「俺が到着したことを現地の人に伝える前にひと暴れしちゃったけど。緊急事態だし仕方ないよね?」
本当は政府とか軍に到着しましたよーって先に報告をしてからの方が良かったんだろうけど。
人命優先って事で許して貰おう。
それでも、次のポイントに向かう前に河村さん経由で到着して既に巨大アリの殲滅を始めている事を伝えてもらうか。
気づいて貰えるようあえて派手な方法で攻撃したから気づいて貰えているとは思うけど。
報告は重要だよね。
スマホで電話をかけると電話料金が高くつくので、通信用魔導具であるトランシーバーを使って河村さんに連絡をする。
到着して既にひと暴れした後と伝えると。
今さっき突如上空に巨大な火球が出現、分裂して地上に降り注いだ。
アレは龍王による巨大アリの攻撃で間違いないか?と焦った様子で連絡が来たよ。
と言われた。
巨大アリだけで国が滅びるヤバい状況なのに
もっとヤバそうな被害が出そうな火球が上空に出現したら俺が作り出したものだろうと思ったって、もし違ったら大変な事になるって不安にもなるか。
俺が地形や人命を考慮せずに巨大アリを殲滅しようとしていると想像しちゃって更に慌てたとか?
やっぱり報告は事前にしておかないと混乱させちゃうね。
俺の場合、事前にこういった事をしますよと報告したところで言ってる事がぶっ飛びすぎて、その目で実際に確認するまで信じられなくて結局、実際に俺が報告通りの行動をした所を見て驚かれるんだろうけど……
まぁ、今回は人命優先で事後報告になっちゃったって事で許して貰い。
日本から自衛隊とSCSF、A国から軍の部隊をBR国に転移で移動させる。
思ったより。時間かかっちゃった早く先に進もうと思った瞬間。
背後から物凄く嫌な予感がして咄嗟に絶炎で作った炎の結晶の壁を作り出す。
炎の結晶で作らられた壁が出現すると同時にギャリギャリギャリと言う壁に鋭いものがぶつかり壁が削られる音が鳴り響く。
「攻撃される瞬間まで存在に気づけ無かった……ソフィア、悪いけど巨大アリの殲滅はお願いして良い?空飛ぶ箒が有るから俺がいなくても飛んで移動出来るでしょ?」
突如現れ不意打ちを仕掛けてきた禍々しいオーラを放つ虎……いやアレはジャガーか……から目を離さずにソフィアにそう告げる。
ソフィアは俺の本気加減を感じ取って何も言わず直ぐにこの場から離脱してくれた。
それを見た河村さんも直ぐに行動を開始。
声をかける前から行動してくれるのは物凄い助かるけど。
どうしても人数が多いので離脱の速度は早いとは言えない。
A国の軍に関しては、今から起きる戦闘を観戦するつもりか?
戦闘データが取りたいのか知らないけど。
後で文句を言われたくないから早く離れて欲しいだけど……
もう、声をかけるスキすらないな。
声をかける為に僅かでも目の前のジャガーから意識を逸らした瞬間戦闘が開始してしまうだろう。
それぐらいコイツはヤバい。正直周りの被害なんて一切考えず全力で戦闘したとしても勝てるかどうか怪しい。
と言っても、こんなヤツを野放しにしておくなんて絶対ヤバいし何が何でもここで倒すつもりだ。
それにしても南米だからもしかしたら……いやBR国なら問題ないだろうと思ってケツァルコアトルを連れて来なかったのは大失敗だったな。
彼がこの場にいれば、アイツの能力とかを説明してくれただろうし。
この戦闘の勝率がぐっと上がった事だろう。
と言っても今からケツァルコアトルを呼ぶようなスキはない。
現状は俺一人で何とかするしかない。
「何となくアンタは今回の黒幕では無いような気がするけど。攻撃してきた以上、敵として対処させて貰う。覚悟しろよ!テスカトリポカッ!」
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