第471話
「まぁ、俺からしたら素手で殴った方が強いから使う事は無いんだけど」
俺が全力で使える武器と言ったら現状理外ぐらいだ。
理外以外で俺の全力に耐える事が出来る武器を手に入れた所で使いこなせるか?という問題も有るし特に入手しようと動いたりしてない。
これでも数ヶ月前までは喧嘩で殴りあった事だって数える程しかない。特にスポーツだってしてこなかった一般人だったからね。
そんな何種類もの武器を持ってたって使いこなせるわけが無い。
宝の持ち腐れってやつだ。
理外のように俺の素材を使って作った武器なら俺の全力にも耐える事が出来るのに増やさないのは、そう言う理由もある。
わざわざ理外以外に武器を用意する必要ある?
ってのが一番の理由だけど。
「そんな事を言えるのは映司さんぐらいですよ。これがあの有名な如意棒だって知ったら誰だって欲しいと思うでしょうし。下手しなくても生涯使い続けるメイン武器になるでしょう」
「それを言ったら。ガラティーンもだね」
ガラティーンに関しては太陽の下で使用すると結構チートよりな能力が発動するみたいだけど。
大前提としてガラティーンを扱うに相応しい剣の腕を持っている必要があるし。
その気になればガラティーンと同じ効果……いや上位互換と言えるような効果を持った炎を生み出すことだって出来ないこともないので、俺からしたら如意棒よりガラティーンの方が扱いに困るんだよね。
一般的には喉から手が出る程欲しがられるだろうアイテムだからこそ尚更。
いっその事、鋳潰して無かった事にするか?
とも一瞬頭に過ぎったけど。流石に持たいないと自分で却下した。
「何方も伝説の武器ですからね」
「どうやらオリジナルではなさそうですけどね。あら?川村さんから電話だ」
そう言えば、現地のSCSF隊員に今回の即席迷宮について報告したけど。
河村さんに直接伝えるのを忘れてた。
「もう夜だっているのに、いきなり電話をしてしまってすまないね」
「いやいや気にしない内でください。河村さんにはいつも無駄ぶりしていますし。それで、即席迷宮の話ですか?」
「いや、今回は別件だよ。と言っても即席迷宮についても少し聞きたいけど」
別件?なんかまた面倒事の予感……聞きたくないってのはダメだよな〜
「それで、その別件ってのは?」
「ほんの数時間前にBR国で即席迷宮と違う謎のさけ目が出現。直ぐに、そのさけ目から2トントラックぐらいのサイズがあるアリが多数出現。国軍が対処に出るも敗北。このままだと、BR国が滅亡するだけではなくBR国を含む大陸ごと滅びかねないと言うことで、日本経由で映司君に救援要請が届いた」
そりゃまた訳分からん面倒ごとが発生しているな。
巨大アリか……何処ぞのゲームを思い出すな。
現状は巨大アリだけみたいだけど。そのうち巨大蜘蛛とか巨大蜂とか挙句の果てはロボみたいな巨大兵器とか出てこないよね?
せっかく宿でゆっくりする予定だったんだけど。こんな事が起きている現状、そんな事を言っている訳にはいかないか。
「分かりました。河村さんはA国に中継地点として一瞬立ち寄らせて貰う許可をお願いします」
日本から直接BR国まで飛んで行くより、A国に転移で移動して、そこからBR国まで飛んで行った方が早くつくだろう。
BR国には行った事ないので転移で直接って訳には行かないから多分これが一番早いと思う。
それにしても今回の原因は何なんだろうね?
人為的なものなのか、そうじゃないのか。
原因によっては話がややこしくなりそうだ。
「分かった。BR国に一秒でも早く救援に駆けつける為の要請って事で日本政府に交渉をお願いするよ」
あれ?河村さんが交渉するんじゃないんだ?
って思ったけど。よくよく考えてみたらそりゃそうだよね。外国とのやり取りをするのは外交官の仕事だ。
……うーん。直接空飛んで行った方が早いかも?
少し様子をみて交渉に時間がかかるようだったらそうしよう。
河村さんとの電話を切るとタイミング良く女湯からソフィアとナディアさんが出てきたので、2人に面倒ごとが発生したと説明。
結果。ソフィアは俺と一緒に来ることに、
古池さんとナディアさんは2人でこの宿を楽しんで貰って自力で帰宅してもらう事になった。
本来だったら転移で送る予定だったんだから申し訳ないけど。今から巨大昆虫とドンパチやらなきゃいけない俺たちに比べたらマシだろう。
準備をして三十分ほど待機していると河村さんから許可を取る事が出来たと連絡がかかってきた。
代わりに日本とA国がBR国に人道支援のための人員を派遣する事が決定。その送り迎えを俺がしなくちゃ行けないらしいけど。
それぐらいなら、まぁ良いだろう。
日本とA国にはBR国に派遣する人員を集めておいて貰うとして俺は先にBR国に向かわないと。
許可は降りたと言うことで、A国の空港に転移。そこからBR国に向かって飛び立った。
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