第290話
「あの黒い巨人を操っていた人間は無事に拘束できたみたいね」
昨日はあの後、まっすっぐホテルに帰って来たから黒い巨人がどうなったのか詳しくは知らなかったんだよね。俺に何にも話が来なかったって事は黒い巨人がどうにかなったって事だろうと思って情報を集めてなかっただけでは有るけど。
朝食が運ばれて来る間にスマホを使ってネットニュースを確認していたソフィアがそう言ってスマホの画面を見せて来る。
確かに昨日の事件の首謀者がA国軍と警察によって拘束されたことが書かれている。
当然だけど、俺については一切書かれていない。
まぁ、俺について書かれても困るからむしろ助かる。
「それにしても、ドミニオンアーマーの性能を疑問視する記事も有るんだな」
個人的には悪くない装備だと思うけど。
「発表会でのサティとの模擬戦での敗北が印象的だったのと、相性が悪かったとは言え、黒い巨人に何機も破壊されちゃった事が原因見たいね」
どちらも相手が悪かったし、しゃーないだろう。
と言うか、これからの研究次第で更に強力な装備に進化する可能性だって有りそうなのに、今回の件のせいで、国からの補助金が減って研究が遅れるとかなったら可哀想だな。
なんだったらお金出すからうちで研究しない?ってヘッドハンティングでもするか?
いや、A国もそこまで単純じゃないか。
既にスタンピード終息で十分活躍している訳だし。
運用次第だってのも理解しているだろう。
それにドミニオンアーマーの製作者に関してはトップシークレットだから知らないし。
ヘッドハンティングなんてできないんだけどね。
「因みに日本で何か大きな事件が起きてたりは……」
「全く事件が起きていない訳では無いけど。大きな事件は起きていないようね」
そのまま、事件が減って行ってくれると良いんだけど……どうなんだろう。
未来が観れる訳じゃないし、その時になって見ないと分からないか。
朝食が運ばれて来たのでスマホ見るのをやめて、朝食を堪能する。
朝食を食べ終わり部屋に戻ると部屋の中で楓さんが寛いでいた。
「楓さん帰って来てたんですね」
「無事に仕事も終わりましたので、戻って来ました」
「楓さんが数日がかりでする仕事って一体どんな仕事だったんですか?」
正直、楓さんが数日がかりで完了させる仕事って想像が出来ない。
楓さんならどんな仕事でも楽々終わらせるイメージなんだけど。
「うーん。まぁ、映司様なら話しても問題ないでしょう。能力的に今後似たような件でお手伝いをお願いする可能性もありますし」
やっぱり、聞かない方が良いかな?世の中知らない方が幸せな情報ってのもあるし。
「今回私がやっていたのは、異世界と繋がる空間の裂け目を破壊もしくは保護と言う作業です」
やっぱり大変そうな仕事だ〜。
それに今後、似たような仕事で俺に手伝いを
お願いするかもしれないって話にも納得。
理外を使って空間の裂け目を作ったり壊したりしているし。
「そう言えば、異世界って地球以外の惑星って事で良いの?」
「いえ、その場合別惑星と繋がる空間の裂け目と言います。異世界と言うのは映司様の知っている場所で言うとティル・ナ・ノーグのような異空間に存在する世界の事です。因みに異世界というのは、知的生命体がこんな世界が存在したら良いなと言う願いが集まり発生します」
「成程?何となく理解した。それじゃ何故かゲーム世界にそっくりな異世界ってのが本当に存在するわけだ」
「むしろ、ゲームとかをプレイしてこんな世界があったらいいのにと言う思いが鮮明になるからゲーム世界にそっくりな異世界の方が多いいですよ。いくつのもゲーム世界が融合して、どのゲームが元ネタなのか訳が分からないような異世界も多いですが」
異世界か〜いつか見に言ってみたいな。
ゲーム世界そっくりって言うなら尚更。
今すぐ行くのは無理だろうけど。地球が落ち着いたら旅行に行くぐらいは許してくれるだろう。
「それにしても空間の裂け目って自然に発生するものなんですね」
「確率はそこまで高くないんですけど。そうですね。破壊しなくても大丈夫なものは見張りを設置して保護。ダメそうなら破壊しなくちゃ行けないので地味に面倒なんですよ」
一般人が気づかずに異世界に飛ばされちゃったらどうなるか分からないもんな。
と言うか見張りを用意して保護するより、全て破壊した方が楽で良いんじゃないか?
「破壊すると地球に悪影響を及ぼす空間の裂け目も存在するのです。そう言った空間の裂け目は保護一択です」
破壊するのがデメリットな空間の裂け目も存在するのか。
待てよ……
「楓さん俺も空間の裂け目を生み出して転移してて。使い終わったら毎回空間の裂け目を破壊しているんだけど、不味かった?」
「問題ないですよ。むしろ破壊して下さい」
良かった〜知らない間に地球に悪影響を及ぼしているかもって思ったけど。
そういう訳ではなかったようで安心した。
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