第281話
「そう言う付きまとって来る連中は、ある程度は許容するしかないと思うよ。何やってもゼロにする事は不可能だし。こっちが徹底的に排除しようとすると、アッチもヤケになってどんな手段を使って来るか分かったもんじゃ無いからね。余りに酷いなら証拠の動画を撮って警察に提出するぐらいしか無いんじゃない」
「映司が考えている程の迷惑行為をされている訳じゃないんだけど。大企業とか金持ちが俺を雇おうとして次から次家に押しかけて来て、ほんとに迷惑なんだよ……どうにかならないかな」
「SCSFに所属しているのでお断りさせて頂きますで諦めてくれないの?」
「我社ならSCSFより高待遇をお約束させて頂きますってずっと食い下がってくる」
「断ってれば、そのうち沈静化するかも知れないけど。強引な手段を取り始めるところが出てこないとも限らないし……かと言って強引な手段を取られる前に、こっちが強引な手段を使う訳にもいかないしな。先ずは、大人の意見を聞いて見るのが良いんじゃない?」
俺たちは所詮、高校生なんだから下手に自分たちで解決しようと考えないで大人に丸投げでも良いと思うんだよね。
何から何まで丸投げするのはダメだけど。
「取り敢えず本人が居なければ、そう言った交渉は出来ないわけだし。俺と一緒にA国にパワーアーマー見に行かない?その間に大人の人に執拗い勧誘をどうにかしてもらおう」
A国に行ったら、A国の企業や金持ちから同じような事をされそうだけど。
国からパワーアーマーの発表会に正式に招待されている
俺の同行者って事で、そう言った勧誘行為はある程度抑えられるだろう。
「パスポートとか持って無いんだけど」
「そこら辺はまぁ、俺がお願いすれば、急いで作ってくれるよ」
パスポートを偽造しろって訳じゃ無いし。
これぐらいのお願いだったら問題なく受けて貰えるだろう。
「まぁ、執拗い勧誘行為をどうするかって言うのを含めて河村さんに相談だな。勝彦が」
「俺が!?流れ的に映司がやってくれる感じだったじゃん」
「いや、そこはほら自分がやらないと……正直、俺が河村さんに話に行くと仕事が増えそうで面倒臭い」
何か今回は河村さんのところに行ったら、重要な案件では無いものの面倒な事を頼まれる気がする。
「まぁ、被害者本人が説明しないとってのは分かるけど」
「そうでしょ?って訳で、この話はここまで。後は放課後に河村さんに相談して」
ーー放課後ーー
勝彦のことをSCSF本部の前まで転移で運んで上げてから、交差点ダンジョンに転移して闘技場でアイテム集めを始める。
「やっぱり人型の魔物は近接格闘のいい練習になるな」
1本角の大柄な鬼の足払いをジャンプして避ける。
1本角は攻撃をジャンプして避けた俺に不気味な笑みをむける。
まぁ、普通の人間は空中で大きく回避行動を取るのは無理だからな。
足払いは俺をジャンプさせる罠だったというわけだな。
1本角は既に俺に向かって右ストレートを放って来ている。
まぁ、俺の場合人の姿でも飛ぶことが出来るので、空中でも自由に動けるし回避余裕なんだけどね。
飛んで攻撃を避ける次いでに1本角の背後に周り蹴りをお見舞いする。
手加減しているので、吹っ飛んでいっただけで、致命傷をおったと言う訳では無いだろう。
「って思ったんだけど。ちょっと手加減ミスったかなぁ」
吹っ飛んで行った1本角は倒れたまま痙攣して立ち上がろうとしない。
こうなってしまったら戦闘を長引かせる意味が無いので熱線でサックリとトドメをさす。
「空中に浮かびながらだと踏みこむ事が出来ないから、気持ち力を入れた方がいいかなって思ったんだけど。力を入れすぎちゃったな」
自分の想像する通りのダメージを与えられないと色々不便な場面も有るからな。
もっと練習しないと。
1本角を倒した事で現れた宝箱を開けると、トランプカードサイズの真っ白なプラスチックが10個入っていた。
「何だこれ?」
強制的に闘技場の外に転移させられた後、鑑定モノクルを使ってこのプラスチックが何なのか確認してみると、想像以上に便利そうな魔導具だった。
「持ち主として登録した人の従魔を一体、カードの中に入れて持ち歩く事が出来る魔導具か」
とある漫画で出てきた。闇のデュエルに負けたデュエリストの末路を思い出した。
名前はブランクカードと言うらしい。
この魔導具が有ればデカイ魔物をダンジョンの外に連れ出す事も出来るし、水生の魔物を陸地を経由して移動させる事もできる様になる。
テイムスキルを持つ人からしたら垂涎の的の魔導具だ。
俺には使えない魔導具だけど。
皆従魔じゃなくて眷族だからな。
「1枚はソフィアに使って貰うとして。残りは保留かな」
1度、持ち主登録をしてしまうと解除できない。つまりその人しか使えなくなってしまうみたいなので、一旦貸出すと言う使い方は出来ない。
それにあったら便利だけど。無くても問題ないって感じの魔導具だし、焦って誰かに売ったりする必要ないか。
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