第7話
「本当に警棒だけで良いのかい?プロテクターとか防具も持ってきてあるけど」
ダンジョン入口に到着したので河村さんから装備の説明をしてもらったんだけど、防具はいらないかなと思い警棒だけ借りることにした。
「今日行く階層じゃ昨日のスキル犯罪者が使った火の玉より火力の高い攻撃をしてくる魔物いないんですよね?それに河村さんの話通りならもし攻撃を受けたとしてもダメージ受けないですし」
河村さんが言うにはBPが10倍も離れてたら攻撃されてもダメージは一切入らないらしい。
やりようによってはダメージを与えることもできるんじゃないかな?とは思うけど基本はダメージを受けないと思って良いだろう。
でもこれって誰が検証したんだろう。
自衛隊が攻撃されて偶然確認出来たとか?
もしくはドンドン行こうぜ!な自衛隊員が自分のBPの10倍高いBPを持った魔物と遭遇して一切ダメージを与えられなくて発覚したとか?
今回戦う魔物たちのBPは高くても230
BPが5000の俺は防具を着る必要はない。
と言うか防具どころか警棒もいらないはずなんだよね。防具のプロテクターや武器の警棒にもBPが設定されていて装備することで自分のBPを上昇させることができるけど。
警棒とか20BPだしたぶん俺が素手で殴った方が強い。
でも素手で殴ると殴った感覚がダイレクトに来るだろうから素手よりはマシだろうと警棒を使う。
因みに魔物や武器、防具のBPは鑑定スキル持ちが調べることができる。
「やっぱり私たちがフル装備なのに1人だけ半袖にジーパンなのは違和感が凄いと思っってね」
まぁ、確かに。
「だって意味が無いのに加えて、プロテクターとか動きずらそうですし。そんなことより早くダンジョンに入りましょう。レベル上げしないといけないんでしょう?」
ダンジョンがどんなところなのか俺も気になるし。
「それもそうだね。それでは全員準備ができたと言う事でダンジョンに突入する」
ダンジョンの入口を警備している自衛隊員に河村さんが警察手帳みたいのを見せてダンジョンの中に入っていく。
ダンジョンの入口は土が盛り上がって人間が入れるぐらいの空洞があるシンプルなものだ。
ただその空洞ははライトとかで照らしても全く先が見えない。
みんな止まることなく空洞に入っていくので
慌てて空洞の中に入る。
空洞に足を踏み入れた瞬間、無重力空間に足を踏み入れたような浮遊感を感じたと思ったら坑道のような洞窟の中にいた。
ダンジョンの内部は異空間にあって転移して中に入るタイプか。
「それにしても、あかりがないのにやけに明る。これもダンジョン補正?」
明かりが一切ないのに日中外にいるのと変わらない。寧ろ河村さんたちはどうしてライトを照らしながらキョロキョロしてるんだろう?
「私たちはライトを使っても10m先を視認するのがやっとなんだが……」
アレ?おかしいな。俺だけダンジョンから優遇されてる?
「ドラゴニアンの目はデフォで暗視機能がついてるって事ですかね?」
俺だけダンジョンから優遇されてるってのは考えにくいし。
1番有り得るのはコレだろう。
龍の目なら暗視機能ぐらいついていても不思議では無い。
でも良く考えれば人形態でも龍の力を使えるってことだよね。いやまぁ、身体能力だって人の状態でも上がってるし当然なのかもしれないけど。
ともかく人の状態でもブレスとか吐けるかもって気づけたのはでかい。
洞窟は狭いから龍の姿になれないし。
「スキルについてはまだ分からないことだらけだし。今後も後になって気づくという事もあるだろう。この暗闇の中、普通に見えてる人がいるのはありがたい。私たちだけでは10mまで近づいて来ないと魔物の姿を視認することが出来なかったからね」
しっかり見えるのが俺しかいないので俺が先頭でダンジョンを進む。
自衛隊が作成したダンジョンの地図があるので迷うことはない。
「皆さんコウモリが3匹飛んで来てます。ちょっと試したいことがあるので俺が戦っていいですか?」
ダンジョンの1階はあまり魔物が出てこないらしく30分程ダンジョンを進みようやく魔物と初遭遇だ。
「構わないけど。何をするつもりなのか予め聞いても?」
「人間状態でもブレスが吐けるのか試して見ようかなと。なので飛び火しないように絶対俺の前に出ないで下さいよ?」
そういった瞬間全員2mぐらい後ろに下がった。
「あっでもダンジョンの中とはいえ洞窟の中で火のブレスはまずいか」
「それに関しては大丈夫だと思う。ダンジョンの中で火魔法が使える者が燃やしまくっても酸欠にはならなかったと報告があるから」
さすがダンジョン。それなら心置きなくブレスを吐ける。
通路の先から飛んでくるコウモリに視線を向けながら大きく息を吸い込み、一気に吐き出す。
瞬間通路が火で埋め尽くされる。
ちゃんとブレス吐けるじゃん!
火が収まったあとの通路は壁が溶けて固まっていて色ガラスの欠片のような物が3つ落ちていた。
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