第476話
「態々そんな冗談言いに来る程、暇なお方じゃないと思いますし。天照様が嘘をついていない前提で話を進めるとして1つ質問したいんですけど?」
神域から出てくる事自体リスクのある行動なわけだからね。
ただ、俺をからかいたいだけなら自分から来るのではなく、俺を神域に呼び出している筈だ。
「むしろ1つでいいのか?」
いやまぁ色々あるけど。取り敢えず1番疑問に思ったことを聞こうかと。
「ふと思ったのですが。神と人の間に産まれた子供の話って結構あるじゃないですか?神でも問題ないのになんで俺はそんな事になってるんですか?」
えっ!?そんな事?みたいな顔を天照様にされてしまった。
確かにそれ以上に重要な事が多いってのはわかるけど。
気になっちゃったんだから仕方ない。
「まぁ、自分が神と呼ばれる存在以上に異質なナニカになると考えてしまったら、気になるのも無理はないか……」
「単純に神に自由に子孫を残す事を許した結果、世界が混沌としたことになったから地球が出来なくしたというだけだ」
つまり。貴方達が大昔にやりたい放題したせいってわけね。
まぁ、文句を言うつもりは無いけど。
「理解はしたけど。ソフィアの実家的な問題がな…」
「1年、これ以上進化をせずに結婚式をしてそれから子供をつくって、っていうのは無理だぞ。それが可能なら私だって今それ以上進化するのは、やめておいたほうが良いぞとだけ言っている」
やっぱり、そうなるか。
分かっていたけど、俺の種族進化は今すぐしないと良くない未来に繋がるらしい。
テスカトリポカの一件があるもんな。
世間から大バッシングされる覚悟で行くしかないか。
「あぁ、結婚前にってのはバレる事は無いからそこは気にしなくていい。なにしろ龍とエルフの子だ。妊娠期間が違う」
「人の妊娠期間とは違うってこと?いやまぁ、なんとなく理解は出来るけど…ソフィア以外にだってエルフはいますし。後々バレない?そっちのほうが絶対炎上しません?」
「いや、通常ならそうだが龍の子でもあるわけだからな。通常のエルフの妊娠期間から考えても長くなる筈だ」
何と言うか。龍が目茶苦茶ってことは理解した。
それに加えて現状の俺は悪魔の要素すらプラスされてるトンデモ存在な訳だし。
通常通り行くわけ無いって事か。
「それはそれでソフィアの事が心配になるんだけど。大丈夫何ですか?」
母親が耐えられないとか絶対嫌だよ俺は。
「ソフィアが普通のエルフだったら不味かっただろうが、〈嫉妬〉を使って生命エネルギーを取り込み補充することでどうにかすることが可能だ」
つまり、そんな事が必要なぐらい危険って事ですよね?
「映司、私は嫌よ」
この場合は危険だから産みたくないではないよな。
「危険なのは確かだが。お主に仙人もいる、そこまで難しく考える必要は無い。ぶっちゃけ
ソフィアが妊娠することによって危険な状況に陥る方が難しいだろうな」
なら、何であんな言い方したんだよって突っ込みたくなるけど。言わなかったら言わなかったで、文句言うだろうからな俺は。
「今更の確認何だけど。ソフィア的には天照様の話に賛成してるってことでいいんだよね?」
いやまぁ、さっきの発言でそうだろうなってわかってはいるけど。
こういうのはしっかり本人に確認しないと。
「それは勿論、お母様達にも既に話は通してあるから。後は映司が同判断するかってだけよ」
俺が宇宙で現実逃避している間に物凄く話が進んでいてかなりビックリ何だけど…
「そこまで覚悟を見せられていや駄目なんて言うつもりは無いし。俺も腹をくくるよ」
「よし。決まったな。それじゃ、後は若いの二人で仲良くやってくれ。邪魔者は帰るから」
いやいやいや、いきなり過ぎるでしょ!
「いきなり過ぎるでしょ!って今更何を言ってるんだ?別に初めてって理由じゃなかろうに」
そんな事言ったって今まではしっかり対策してたし…
ソフィアだってちょっとぐらい動揺して…無いね。
ハァ…ここでナヨナヨするのもあれか。
「あぁ、そういえば生まれてくる子供はエルフと龍のハーフで悪魔の要素は一切遺伝しない。伝え忘れるところだった」
半分消えかけてた天照様が元通りに戻ったと思ったら危ない危ない忘れるところだった。と言いながら、そう説明してくれた。
龍と悪魔の融合生命体は本来生まれない様に地球が制限していたみたいだし。
俺以外にもそんなイレギュラーが現れるのは許容出来ないってわけか。
子供ができないなんて事になるより何万倍もマシだし。文句はない。
「伝える事は全て伝えたよな?……うん、大丈夫な筈だ。それじゃ、今度こそ帰る」
そう言って天照様は消えた。
何と言うか。何にか伝え忘れていることが有るんじゃないか?と不安になるような最後だったんだけど…
今は、そんな事を言っている雰囲気じゃないな。
普通に自室でも良いんだけど。せっかくなら絶対に邪魔が入らない場所の方が良いか。
ディメンションルームを起動してソフィアと二人で中に入って行った。
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