第31話:間違ってないかい?

 中央に噴水が作られており、周辺には休憩できるよう椅子も完備されている。


 俺は椅子に腰かけ、サンドイッチを包み紙から1個、出し咀嚼すると、コンビニで購入するのに近いくらい美味しいのに驚く。


(すんげぇ旨いんだけど・・・日本のサンドはマヨ入ってるから味的には近いっちゃー近いが、この世界にマヨって無いよな?説明かもん!)


 【サンドウィッチ】

・日本のコンビニに売っている品と遜色ない

・使われている材料は

 マヨソース、卵、キウリ、レタ、ポテト

・マヨソースは偶然の産物


 ・・・マジ・・・?マヨは偶然できた調味料って事か。


マヨソースがマヨネーズでキウリが胡瓜、レタは当然レタスだろうしポテトはジャガイモだろ。


 それにしても偶然の産物でも旨いし懐かしい味付けだな。


 こうなったら醤油とか味噌とかウスターソースとか味改革したくなってくる。


 は~・・・美味かったな。


 小腹を満たすだけで今は十分だから防具、見に行くか!



 * * * *


 カラン・・・ここもベルで訪問を知らせる形になっているらしく、扉を開けて中に入るとズラリと「ザ・甲冑!」と言える品から胸当てだけの品、腕に着けるタイプの盾、持つ盾、女性用の防具も扱っている様子が見受けられた。


 へぇ・・・流石、異世界あるある。


 中世の騎士に近い甲冑も置いてあるが、何この値段設定、安くないか?


 リョータが見ている甲冑は、中世騎士が身に付けていても不思議では無い、全身装備なのだが、ゼロの数が少ないのだ。


 コンマが打って無いから断定は出来ないが甲冑って10万以上しないか?


 それが・・・金貨1枚・・・って約1万・・・安すぎだろう?!


「おう客か?」


 奥から店主らしき男性が出て来て俺に声を掛けてくれる。


[あのねギルマスから殺され掛けて

 声が出なくなってるから筆談でも大丈夫?]


やらかしやがったのか、

 あのギルマスは・・・」


 何だか「やらかし」が通常運転のような気がしてきた。


[僕でも使える防具ってあるかな?]


 一番の心配は金額よりも子供の防具があるか否か。


 無かったら代用品を材料買って作るしかないと考えて聞いたのだが


「あるぞ?

 坊主なら心の臓を守るだけの防具で十分だ。

 持って来てやろう」


 あるとの返答にホッとしたのは言うまでもない。


[ありがとー!]


 やっぱり、そうなるよね。


 ギルドランクが低いと、討伐依頼なんて受けられないから魔物に「襲われる」心配は皆無。


 そうなれば襲撃を受けた時に狙われるのが心臓。


 首元も危険っちゃ危険なんだが、横に飛ぶとか後方に下がるとかして、首を守る方法は考えれば導き出せる可能性はある。


 そうなると首は考えに入れず心臓だけ守ればいいとの考えになるのは当然だ。


 店内に飾られている防具や盾の値段を見ては「有り得ねー値段設定だ」と呟いて声が戻っている事に気付いたのだ。


 見える範囲だけど…結構、安めな金額設定なので逆に「これで大丈夫なの?」と言う疑問も生まれてはいた。


「待たせたな」


「そんなに待ってないよ?」


「お?声が出るようになったんだな。

 ギルマスに何されたか知らねぇが、

 ランクを上げて貰うのも脅しかけて大丈夫だぞ?」


「いやいや、

 流石に低ランクから

 高ランクに上がれる訳が無いくらい

 知ってるから大丈夫だよ!」


 ここで入手できた防具、胸当ては通常なら銀貨2枚だそうだが、やらかしの被害者には半額で売っているそうな。


 ギルマス・・・やらかしまくって信用ガタ落ちしてるな。


 でもヤラかしまくってるからこそ、職人さんたちは知って、こうして被害者に割引できてるのかも…そう考えるとヤラかしは、存分に伝えて貰いたい

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