第271話:鉱石あれこれ
次に教えて貰い始めたのは勿論、鉱石の種類。
日本で馴染みある金属と言えば金銀なのだが、そのままで見つかる訳もなく、どうやら「自然銀」「自然金」と呼ばれるらしい。
勿論、日本では危険とされている水銀も「自然水銀」として存在しいるらしい。
プラチナ、ダイヤモンド…ダイヤも黒、白は当然ありピンクは稀に見つかると言われた。
ブルーダイヤやイエローダイヤも発見されつつあると教えて貰い、水晶、アメジスト、クオーツ、石英もあるらしい。
流石、似通った世界だな。
クオーツったって、聞いた事があるのはローズクオーツで、
「でだ、お前さん、
鉱石場に何をしに来たんだ?」
「あのね、冒険者だから場所を知っておきたかったし、
採掘の仕方…って言うの?
それを知らなかったら危ないと思ったんだ。
それにね、道具を持って無かったから買いに来たの!」
嘘ではない…本当の事が半分ではあるが、知らないより知っていた方が断然、依頼を受けられたとした時に有利ではあると思っている。
「リョータ…冒険者ランクFじゃないのか?」
「ヘンリー、そいつはスタンピードを終息させたくらいだぞ?
そんな低い訳ねぇだろ。
噂じゃSになっちまったって聞いたが…」
…えっと…どこまでアレ(スタンピード)の事、広まってんの?!
確かに多くの冒険者が参加してたよ?
それでもさA以上S未満は、そんなにいなかっただろ?!
何でこんなに知ってる人が多いの!?
言い当てられてしまっては嘘を言う事も出来ずリョータは
「…何か噂されてたみたいだけど、
そのSになったって言うのは当たってるよ」
と正直に吐露した。
「・・・あの阿呆、気絶だけで良く済んだな…」
あれ?大騒ぎされるかと思ってたのに…どうして皆「うんうん」って
「リョータはSになったのが最速だろう?
じゃなければ皆の反応が冷静なのが信じられない…
てな顔できねぇしな」
「そう…だけど、そこまで気付かれてたの?」
リョータの顔つきは百面相のようにコロコロと変化してるのだが、本人は至って冷静だと「思い込んで」いる。
「リョータ…顔に出てるんだよ。
何で、どうして、信じられない…ての全部…」
「(ボソ)マジか…」
リョータの呟きは周囲の大人に届く事はなかったが、何かしら口に出したのは気づかれてしまい
「何か言ったか?」
と言われてしまい慌てて気付かれてしまってたんだな、と言う台詞を口に出す。
「ううん。そんなに出てたって気付けてなかったんだなーと思って」
「まあ、お前さんの場合、
今日までに巻き込まれまくってたんだろうってのが、
ここに居合わせた連中の見解だ。
何かしら鉱石が欲しければ俺らが採掘してくるし、
採掘の仕方は春になってからになるが、
教えてやれるからな」
「ありがとうございます!」
危険を冒してまで採掘せずに手に入れられる方法が確立した瞬間ではあったが、リョータは別の目的で「卵が腐った匂い」がする地域を調べに行くつもりなのだ
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