第448話:反省の弁すら持たない愚か者

 可視化されては居るものの、本人(やらかし神々)からすると、何されたの?的な顔つきになったのに気づいたのは勿論リョータ。


「…やらかした皆様?互いの顔をよぉ~~~~~~~く、

 ご覧になってから発言して下さいね?」


 そうは言われども、自分たちは悪くないとばかりに先ずは少彦名命すくなひこなのみことがポソりと…聞き取りが不可能なくらいな声音で持論を展開し始める。


「良太が困らぬよう、何かと手を貸したいと思ってしたのに…

 何故わしらが叱られなければならぬのだ?」


「・・・少彦名さま?聞こえてますからね?」


「・・・え・・・」


「確かに『困らないように手助けしたい』気持ち嬉しいですよ?

 ですがね、ヤリ過ぎては歴史が動きすぎるんですよ?

 判ってますか?!」


「…いや…そのっ…えっと…つまり…

 温泉を異世界こっちにも流行らせたいなー…何て・・・」


「思ったのですか?」


 激オコ状態の天照様が睨みつけても何処吹く風。


「思ったら駄目だとは言われてませんし…」


「そう…言われてなければ何を仕出かしても許される…と。

 日本の神々が他世界に干渉しまくって何が起きるかも考えずに…

 ですか。あなた方には脳みそが無いのですか?!」


 脳ナシ発言が余程こたえたのか、真っ青になったのは金山彦神かなやまひこのかみ


「のっ…脳ナシではっ・・・」


「考えが足りて居たらエーテルディアが鉄道すらない時代だけでなく、

 車すらない時代だと理解できてますよね?

 なのに、どうして車が転送されて来たのでしょう?」


 そう考えてくれて居れば、例え良太が「見本が欲しいなー」などと呟いたとしても、送ったとしたら大混乱が起きるだけでなく、かなり時代が進んでしまい、開発がなされ過ぎてしまい、自然破壊からの世界崩壊になりかねない、と気付いてないのだ。


「そりゃぁ…見本が有れば開発は便利になるかなーと…」


「先々すら考えないで…ですか?」


「さきざ・・・あ・・・え・・・そん・・・な」


 想像したのだろうか、それとも未来が「見えてしまった」のかは、リョータでは計り知れなかったが「日本の神々」は何かしらが見えても不思議は無いなー…で有る。


「勿論?医療関係先々を考えて過去の看護師さん…

 当時の呼び方だと従軍看護婦でしたっけ?

 その方を『攫うように異世界へと召喚』してペストへの対応を『残させた」

 んでしょ?だからこそ、あの村に末裔が居た」


 まさか戦争中に召喚されてた人が居た等、思いもつかない処か、今(平成)の時代ならば異世界召喚物など読み物で溢れて居るからこそ、リョータは対応できた。


 ならば書物すらない戦争時代に飛ばされてしまった彼女は?と思ってしまうのは仕方がない事。


 良太は自分はスマホやら知識やら持って居るからこそ対応できたが、何も無い時代で戦争中で髪の毛の色が違う人々に囲まれては自決しかねない状態だと何故、気づかないのだろうと怒り心頭なのである

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