第447話:話し合いDEATH(デス)~2
温泉の神やらカジさんやらが真っ青になって居たからか、こそーっとその場から抜き足差し足で逃げおおせようと企む神が居るのに俺は気づいた。
「温泉の神様?場所を教えて下さった事には感謝しますよ?
でもね?アレは無いですよ?!」
「ひっ(ぎくぅー)」
「硫黄の匂いには気づけたから温泉らしきモノが有る、
とは予測できるでしょう。
ですがね?温泉施設を作りたいなー…
なんて声すら出してないのに何で出来てるんでしょうねぇ?」
「そ、それはなっ…
良太殿を驚かせようと画策し・・・あ…」
画策したのに乗っかったと言おうとして口を滑らした事に気付くドジを犯す。
「・・・へぇ・・・天目一箇神様?
驚かせようと画策して良い顔を見る事は出来ましたか?」
絶対零度に近い声音が空間に響き、怒って居た筈の天照大御神すらビクリと反応してしまい、良太の怒りっぷりにブルリと震えた。
「いやっ…そのっ…驚いた顔を堪能と言うか…
喜ぶ顔を見たいと思っただけでっ…
そんなに怒るような事はっ…」
「・・・してますよね?してるの自覚してないんですか?!
こちらの世界に風呂に入ると言う習慣が根付いているのは、
爵位を持つ人だけで、一般市民が入る事は無いんですよ?
それを俺をビックリさせる『だけ』の為に作るのを手伝ったとでも?」
それを言われてしまうと返しようが無い。
「鉱山も色々、手に入れる事が出来るから有難いとはいえ、
こちらの世界には無い山だって判ってます?
鍛冶技術も建築技術も平成なら古き良き時代だなー、
で見た目は済むでしょう。
でもね?エーテルディアでは『普通では無い』んですよ!?」
「「「すっ…すみませんでしたぁああああああ」」」
すっかり萎縮してしまった鍛冶、建築、温泉の神々は、土下座に近い形で頭を下げ、リョータの怒りを受け止めた。
考えなしに暴走し「映像で見れたら説明しなくても判って貰えるのになー」と思ったとしても了解を得ないまま「実行してはならない」と教訓…にしそうもないのが暴走神。
「はぁ…どうせ此処(異空間)での事を『忘れる』でしょうから、
天照様」
「・・・な・・・なぁに?」
「何かしらの制限って付けられますか?」
「制限って…例えば良太くんが思った事を実行しないように…
とか?」
「僕が相談しない限り手を出さない…でお願いします」
「…そんな事で良いの?」
「今の時点では罰が正しいのか判らないので、
暴走したら考えたいと思いまして…」
「判ったわ。天照大御神の名において、
手出しを禁じる事を認めます」
ふわっ…と何かしらが4柱に掛けられた事が理解でき、暴走してしまった神々の額に太陽(と言っても子供が書くような可愛らしい)マークが刻まれた
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