第462話 閑話~神出(かみいづる)場所では…(2)
開かれた先を見ないまま、トボトボと3柱は入って行き、天照は
「反省の色を見せて下さいましたら出して差し上げますね?」
と扉を閉め「
天照「あらあらまあまあ、そんな事は有りませんわよ?
外界と内界は今、会話できてますでしょう?」
阿遅、天目、武御「「「あ」」」
天照「では、反省して下さいましね?」
そう言った瞬間、部屋の中が真っ白に変化し、何処が床で何処が天井で…が判らなくなった。
あじ「え…何?!どうなってるんだ!?」
天目「
武御「動かぬ方が良さそうだ」
あじ「武御雷?」
武御雷「私の右に白く塗られた針山が有った」
あじ「は?」天目「針山?!」
良く良く観察して見れば阿遅高日子根神の右には剣山が、
たけ「座る場所は…(手探り中)…見当たらない。1歩でも動けば激痛だと?」
天目「ちょっと天照ぅ?!ヤリすぎじゃ…」
天照「あら?貴方たちもヤリ過ぎたじゃない。此処でヤリ過ぎと言われてもねぇ…」
あじ「異世界に作ってしまった施設と此処(真っ白な世界)では雲泥の差では?!」
天照「・・・そこの施設は貴方たちには造作もない事でしょう?」
たけ「はい。作れます」
天照「彼方に出来てしまった施設は、異世界の方々も造作もない事かしら?」
3柱は言葉を返す事が出来ない。何故なら異世界でロボットが自在にパーツを組み合わせる事も無ければ、パーツ専門の職人が居る訳でも無い。
ましてや「車」が存在しないのに「車」が存在し、解体する前に工場が作られ、ベルトコンベアが存在しないので・・・と異世界風にアレンジされ、パーツなどは湧き出る仕組みが構築され…と本当にヤリたい放題したい放題。
ゆっくりと剣山の上に腰を下ろしたのは武御雷。
「…天目一箇神も阿遅高日子根神も座るといい。ゆっくり腰を卸せば何とかなる」
あじ「何とかって…」天目「アレ(クギ)の上に…か?」
たけ「ずっと立って居ても考えは出て来ないのでは?
反省の為に入れられてしまったのだからこそ、
どうすれば異世界の者にも日本技術を渡せるか…を考えても良いのでは?」
天目「技術を渡す…」
天照「武御雷?渡す前提ならば貴方は別次元に居て頂く事になりますわよ?」
たけ「ま、待って…!待って下さい天照様。今のは言葉の
天照「…今回は見逃しましょう。
しかしながら、反省の言葉が出ない限り、そこからは出られない事、
肝に銘じて下さいね?」
たけ「御意に・・・(失言も出来ぬのか?!)」
天照「内なる声も届くので、そのつもりでね?」
あじ、天目「「は?内なる声もぉ!?」」
天照「ええ、武御雷が失言も出来ないのか、と思ったのも聞こえましたからね?」
いよいよ、3柱は追い詰められてしまった。
白い部屋とは言え、3柱で「何かしら又ヤラかそう」と会議が出来る…そう高を括って居た。
だが…いざ、中に入れば周囲は真っ白で、1歩でも動けば剣山やら針やらクギまで有る始末。
もしかしたら包丁やナイフと言った鋭い刃物や尖った杭なども有るかも…と背筋に冷たい汗が流れた。
たけ「…我々は、天照様を怒らせる事をしてしまった…」
あじ「作ったり送ったりする前に良太殿に送っても大丈夫か、を聞くべき…だったのだな」
天目「確かに送った品は良太殿には扱えたとしても、異世界の職人が扱えるとは限らない…か」
たけ「走行実験場…だったか。あれを山に作る時も地神(地元の神様)に何も言わず作ってしまった…だろう?」
あじ「あ、ああ、あぁ…あれは申し訳ない事をしてしまった。
山の開発は良太殿が許可を得ては居たものの、
我らの事は地神には知られて無かった。なのに…勝手に…」
3柱3様の反省が始まり、見守る天照は「この反省部屋は自分も使う事になるかも」と気を引き締めたのだった
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