第260話:鉱山地図
冒険者ギルド定番となりつつあるのが、ケイトさんとのやり取り。
「あらぁ~リョータさん、
商業ギルドの場所、
判ったかしら?」
「うん!(忘れてたとは口が裂けても言わないでおこう)
鉱石の採集依頼を受けるのは
個人で採取した場合、
売るなら登録してないと受け付けないんだって」
「あら変ね。
鉱石の買い付けは冒険者の方でも出来るわよ?」
「へ?
あ・・・もしかして買い付け値段が違うとか言う理由…
だったりするのかな?」
「その可能性はあるけれど、
リョータさんが採集して来るなら私が請け負うわよ?」
「ありがと!
でも何で登録しないと、
買い付けてくれないのかを知る為にも、
登録はそのままにしておく~」
「ふふふ。所で今日はどうしたの?」
「鉱石が採掘できる山の地図って売ってる?」
まあナビさんの知識で「ある」ってのは知ってるけど、記憶が無いってのが浸透してる受付で「いかにも知ってますよ」な聞き方はマズイっしょ。
「えぇ売ってるけど場所を把握するためね?」
「うん。
ランク的には採取依頼って受けられないだろうけどさ、
鉱石採取ならあるかも知れないでしょ?
知らないまま受けたりしたくないからね」
「確かランクは高くなっちゃったのよね?」
「・・・うん・・・」
「採取依頼の多くはランクが低いけれど、
鉱石採掘はコツがいるって聞いた事があるから、
練習がてら山に行くのは出来るわよ?」
「え…?そうなの?!」
「ええ。
採掘専用の道具は買っておいた方が良いわね。
依頼で行かなくても場所を把握しに行く、
と言えばリッツェを出る事も可能でしょう。
それに貴方のランクを門番が拒否する事はないものね」
あ~~~…うん。Sランクを門外不出にしちゃーマズイもんね。
「そうなんだね~…鉱山の地図、
いくらですか?」
「ああ、無料で渡してるから持って行きなさい」
ナビさんや…無料とは言わんかったよな?
売ってるって…そう言う意味やったんかーい。
(元は販売されていたので問題ありません。
需要が多くないと思われた為、
無料配布に切り替わったのだと思われます)
あー…そう言う事ね、理解できたわ。
「ありがと!」
受付後ろに資料などの棚があるのか、そこから鉱山の場所が明記されている地図を持って来てくれた。
「鉱山にこもるつもりがあるなら道具一式を借りる事もできるし、
買う事もできるから、
近くの名前が残って無い小さな村に拠点を置くといいわ」
「へぇ…鉱石を採掘だっけ…
する拠点として村は残ってるけど、
何かの理由で名前は無いのかな?」
「・・・まあ…そうね。
記憶が無いのなら詳細に知らないのも仕方ないものね。
流行り病で多くの犠牲が出て、
病気の痕跡を消す為に村は一度、
焼き払われてるのよ」
…それってアメリカ映画に無かったっけ?驚異のウィルスが蔓延してしまった街だったか村だったかを焼き払うって言う映画だったか…もう記憶に残って無いくらい昔、見たってだけだが。
「道具は一式、その村で用意できるんだね?」
しんみりした話から脱線させるべく、道具を揃えられるか確認し、リョータは道具を揃える為に雪深くなる前にとばかりに、その足で向かう事としたのだった
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