第259話:街を散策がてら…
鉱石を採集しに行くなら冒険者ギルドに依頼されるのを待ち、個人で鉱石を採取して、売りたいと望めば商業登録者なら出来る(商業ギルドで登録している事を綺麗に忘れている)。
それを知る事が出来て良かったなと思いつつ、自宅がある方向の門へと向かって行く。
リョータは目的があっての移動で詳細に地図を見ずにいた為、鉱山が何処にあるかすら見てなかったのだ。
日本で言う所の世界地図は見たけど、流石に日本の富士山…みたいな山の名前までは見なかったよな。
と言うか世界地図なら日本地図のような詳細は掲載されてない可能性があるか?
先ずは地図を確認してからだな。
世界地図で火山や鉱山などの場所が掲載されていれば、そこを知る為に旅するのも良いなとは思っている。
日本の冬休みだと12月23日頃から1月7日頃にかけてあるが、異世界の休みは降雪が多いからなのか新学期が始まるのが4月だと説明されたのだ。
詳細を知らない状態で休みに入ったが、恐らくは雪解けを待たなければ移動や活動が難しいからなのだとリョータは思っている。
「流石に小桜は鉱山の場所、
知らないよね?」
小桜の経験値からすれば、鉱山の場所を知っているかと思い呼び出していた。
【えぇ。
わたくしたちフェンリルが暮らす地域の周辺は、
詳しいですが、
流石に活動範囲で有無は判りかねますわ】
「貰った地図を確認してみるか」
貰った少しい歪な形の異世界地図・・・何処に国が存在し領地が存在するか…くらいしか詳細がなかった。
「やっぱ書かれてないか。
冒険者ギルドで鉱山の場所が掛かれてる地図が存在するか、
聞いた方が良いかな?説明ぷりーず」
久しぶりに補佐してくれるガイドに聞いてみる事にしたリョータ。
(鉱山の場所でしたら鉱山地図が売られている筈です)
「売られてたんかーい。
それさえあれば場所を把握できるんだよね?」
(勿論です)
「ありがとー!」
取り敢えずは場所を把握すべく、再び転移でリッツェの門ちかくへ飛び、ギルドへと足を向けた(勿論、冒険者の方)。
* * * *
ケイトさんに言えば売ってくれるとは思うけど…錬金やるって発言した時の嫌そうな顔…忘れられないんだよねぇ…。
まあ依頼を受けるかも知れないから、位置知りたいって言えば売ってくれる可能性はあるか。
臨機応変で対応しなきゃなー…。
少し前までは歩いてるだけで、魔術の同級生や2年生が絡んで行く手を遮る…何て事もあったのだが、最近は大人しいモノで誰も絡む事はなくなりつつあった。
絡まれる事がないなんて、平和だなぁ…。
リッツェの町中で顔見知りとなった大人もチラホラ…時折、挨拶を交わせるくらいにはなってくれた。
「お?リョータじゃないか、
今日は何も買って行かねぇのか?」
「おじさん、今日はギルドで買い物だから、
後で寄るね!」
「おう!何個か作り置きしておくからな!」
「ありがとー」
食い物関係のおっちゃんが声を掛けて来たり
「あら、リョータくん。
武器の調子はどう?」
「今の所、壊れたり欠けたりしてないから大丈夫!」
「そう、何か起きたら何時でもいらっしゃいな」
「ありがとー!」
ギルマスの母親であり武器屋の女将さんが声を掛けてくれたりする。
何も知らされずに、異世界転生してから半年が過ぎようとしているが、どうやら彼は世界に馴染み始めたようだ(そして色々ヤラかしたギルマスは、免職された<らしい>)
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