第181話:いざ!推奨ダンジョンへ…とは行けず・・・
犯罪を犯した訳でも無いのに手配をされ、動こうにも動けなかった状態が解消されただけでなく、上空からアヴェルを回避しなければ王都へ行けない状態をも解消できたリョータは、本当に解消されているのかを確認すべくアヴェルへと向かった。
さて、実際に解除されたとあからさまに判る場所と言えば門か?
【そうですわね。
手配と言う事柄が成されていて、
一番初めに身分を確認するのは入り口ですものね】
まあ近くまでは転移で行けるけど流石に門を通過してギルドへ行けねぇもんな。
アヴェルの門へ近づくと流石ダンジョン領地。
多くの冒険者が列をなして入る順番を待っている。
おお~。
流石だねぇダンジョンが多く点在して、ドロップするアイテムが良いんだろうな。
冒険者が列を作ってるのを見るのも初めてかも。
リョータがアヴェルを訪問した時はFで、依頼が受けられるかを確認しに来ただけだった。
ギルドに向かう時に親切な「お兄さん」がFで挑めるダンジョンは無いと教えてくれたからこそ、王都への道で起きてる事柄に対応できた。
アヴェルの門は難なく通過でき、街並みを眺めながらギルドへと到着すると早速、推奨ダンジョンで討伐依頼もしくは採集依頼…はレベル的に無いかも知れないと念頭に置いて依頼書を見て行く。
貼り出されてる状態はランク別じゃないんだな。
挑めるランクが書かれたダンジョン情報が網羅されてるとか、優秀すぎっしょ。
洞窟ダンジョン(レベル1:ランクE)、迷路ダンジョン(レベル50:ランクA)・・・これなら間違って自分の限界以上のダンジョンに行かなくて済むな。
んと・・・俺は…Sになっちゃったからなぁ。
ハッキリ言ってレベルはカンストしてるから関係なく見れる。
ランクSと表記があるダンジョンは……次々と剥がされて行く(な~んか嫌な予感)。
剥がしてるのは、どうみてもSランク冒険者ではない。
しかも剥がしてる枚数が10枚以上と挑むにしては多い量なのだ。
仕方ない。受付のお姉さんに推奨ダンジョンを紹介して貰おう。
それでも無かったらティングで実行した方法でダンジョンに潜ろーっと。
依頼ボードから視線を受付に向け、教えて貰いに行こうとするのだが、Aランク冒険者たちに囲まれてしまう。
うげぇ~。やっぱり囲まれますか。
どうなってんだ?巻き込まれ体質回避できるようになってなかったっけ?!
「子供がダンジョンに挑む必要性はないだろう?」
「レベルもどうせ低いだろうから此処で受けられる依頼は無いぞ」
けらけら、と笑いこけてるが、アヴェルのギルマスだろう。
5人にゲンコツを落す準備をしている姿をリョータが捕らえていた。
な~んかデジャヴ感、満載な気がするが、こればかりは「おしおき」して頂きますか。
「子供でも危険だとされてない場所なら挑めるって、
ティングで聞いたんだけどアヴェルは違うの?ギルマス」
ゴツン、ゴツン、ゴツン…と5回ゲンコツが頭に落とされ悶絶するAランク冒険者(ご愁傷様~)。
「冒険者なら自分のレベルを把握し、
ランクが依頼条件を満たしていれば、
挑む事を認められていると、
冒険者になった時に教えられてる筈だが?」
悶絶した表情から顔色が消え、恐怖におののく顔へと変貌した(何でだ?)
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