第51話:デジャブ?ノン、デジャブ

 ギルドに戻り、野良猫は従魔扱いになるのか聞いて見る事にした(勿論、従魔として契約しちゃってるのは判っていたが、確認したかった)


「あ、ケイトさん聞きたい事があるんだけど…」


 ちょうど依頼などのピークが過ぎたのか、ケイトが担当する場所に人は並んで無かったので直接、聞く事が出来た。


「答えられる事ならいいわよ?」


「あのね、野良猫が従魔扱いになっちゃったんだけど、

 登録しないと駄目だよね?」


「の・・・野良猫が…そ、そうね。

 契約したと気付いたから聞きに来たのね?」


「うん。本来なら、

 こんな事になってなかったかも知れないんだけど…

 気づいたら契約しちゃってたんだ」


 フェンリルの時も野良猫の時も、只「助けたい」と言う思いから救ったのだが、それが知らず知らずのうちに契約してしまっていた、と信用できないかも知れないな。


 と俺は思った。思ったんだがケイトさんから返って来た言葉は


「じゃあカードに登録しておきましょ」


 だった。そんな簡単に子供を信用してイイんかーい、と突っ込みたかったが止めておいた。


「はーい」


 素直に登録して貰って、薬草をポーションにする場所があるのか聞いて見る事にした。


「あのね、ポーション作れるって聞いたんだけど、

 どこかで作業している所を見れないかな?」


 作業工程としては文字で…と言うより「説明」して貰ったので知ってはいる。


 知っていても手順を知ってるのと知らないのでは、雲泥の差だと思ったからこそ「見たい」と望んだのだ。


「うーん。

 見せて貰える保証は無いけど、

 薬師がいるから行ってみると良いわ」


「ありがとー!」(万が一、見れなくても文字通り実験してみればイイからな)


 薬師がいるのは権太を保護した表側だった。


「何か昨日の続きを見てる気がする…」


 権太にも首輪をつけてるので、蹴られる心配は無いのだが…小桜と権太を連れ薬師のいる場所の扉を開ける。


 小桜たちは表で待っててね。


あるじ

 影に控えさせる方法がありますわ】


 あ~…そう言えば小説にも書かれていたな。


 影に入っててね。【[はい]】


      カランカラン…


「はぁ~い・・・って、

 あら小さなお客さんね」


「すみません、

 ポーションを作る所を見せて貰えませんか?」


「残念だけど薬師になる…

 と言うなら見せられるんだけどね、

 ごめんなさいね」


「いえ大丈夫です、

 見せられないのを無理に見たいと言わないよ」


「ふふふ、

 その代わり薬草を直接持って来てくれるなら、

 割安で作ってあげるわ」


「ありがとー!必要になったら作って貰いにきます!」


 必殺!営業スマイル…で退散して、煮だして作るには鍋のような器が欲しいな~と思い、雑貨がある地域へと向かったのだが


「この泥棒め!消え失せな!!」


 権太を保護した時の状況と全く同じシーンが目の前に広がって居た。


 えっと…これ権太と同じ状況じゃね?


「お兄さん、

 店先でその子、

 踏んだりして死んでしまったら店の評判、

 落ちちゃうよ?

 要らないなら僕が森に捨てて来るよ?」


 勿論、表の声は「捨てる」と強調するが


【俺の声が聞こえているなら動くなよ?】


 と内なる声(念話)を伝えた。


「いいのか?こんな泥棒犬を捨てるなんて…」


「うん、ちょうど採集で森に行く予定なんだ、だから大丈夫!」


「すまんな」


「じゃあ持っていくね!」


(連れて行く…が正しいが表面上は捨てる雰囲気を出さないとな)


【主が助けてしまう動物が多いですわね】


 小桜だけを影から出している。


 多分だけど「巻き込まれ体質」だからだと思う。


 ぐったりとした犬を抱いて森に捨てに行く「ふり」をして門を出た。


 そして権太を救った場所に行き、蹴られた体を癒した

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