第9話:青天の霹靂?!
ふぁ~・・・良く寝た。
とは言え孤児院にいる他の子供たちから何かされやしないかね?
小説では結構な頻度で「苛められて」とか「仲間外れに」とか出て来るんだよねぇ…いきなり知らない子供がいたりすれば。
荷物の事、聞かれたらヤバイと思ってボックスからエコバッグ(中身空)だけを取り出し靴を入れようかとも思ったけど、取り上げられて中身を見られたら何だ?!と言われるのがオチ。
となるとバレても支障が無い品・・・ズボンのベルト変わりに使っていた「蔦」を入れておく事にした。
「リョータ君、起きてる?」
扉の外からシスターの声が聞こえた。
「はーい」
「朝ごはん、用意してるから降りてらっしゃい」
「はぁ~い」
返事をしたものの、塩気三昧な朝飯を考えると・・・声のトーンが暗くなってしまうのは仕方ないと思う。
部屋に入られて荷物が「盗まれる」可能性もあると思った俺は、ボックスに持ち歩く為に用意していたエコバッグを収納し階下へと向かった。
そこには5歳から12歳くらいまでの男女がいるのだが、ハンナさんが言った通り、女子率高めである。
普通、それなりに可愛い子が多い事はあるだろうが、この孤児院、どうして美女になりそうな女の子が多いんだろう、と言うくらいに、可愛い子が多かった。
「ハンナまま、あの子だれ?」
「紹介するから座りなさい」「「「は~い」」」
「リョータ君は、ここに」「は~い」
「皆さんに紹介します、
数日間ですが預かる事になったリョータくんです」
え・・・?預かる事になった?
保護じゃなくて・・・?どう言う事!?
「ママ?友達じゃないの?」
「えぇ、友達になる事は出来ないと思うわ。
領主様に逢う事になったんです」
「「「・・・わかった~」」」
おぃ?!何でそこで理解できるんだ?普通、駄々こねるだろ。
それなのに納得するとか・・・もしかして、それが常識なのか!?
「リョータ君、
色々聞きたい事があると思うけど、
先に食事を取ってくれる?」
「うん・・・教えてくれる?」「勿論よ」
何の説明もされない状態に陥る事となってしまったが、朝食を先に終わらせる事にした。
今日の朝はフランスパンみたいなパンに、野菜を乗せたサンドイッチ風の品とスープで助かった。
* * * *
「リョータ君を見つけた後、
保護する事になって、
この孤児院に来たでしょう?」
「うん」
「その後、
魔道具で見た内容は、
領主様に報告しなければならないくらい、
大変、珍しい事なの」
「どうして此処にいたら駄目なの?」
それを知りたい。
「それはね・・・
君を養子に欲しいって、
領主様が言い出したのが原因なの」
「え・・・?
ぼ・・・僕を養子に!?何で?」
いやいや待とうよ領主様?得体の知れない、たかだが10歳児を欲しがって何をしたいのさ!
「それは君のステータスよ」
あ、もしかして全属性持ってたから?ここ確か領主が大魔法使い・・・ヤバい…。
「・・・僕って・・・危険だったんだね…
ハンナさん、めいわくかけて…
ごめんな…
「違うわ!
リョータ君が危険と言う訳で、
領主様が欲しいと言った訳じゃないのよ?!」
へ?」
あ・・・素が出ちまった。
「実を言うとね、
領主様は大魔法使いと呼ばれるくらいに魔法の才能を持っていらして、
後継者を育てる意味も込めて魔法学校を作られたんだけど、
彼の眼鏡にかなう人材が出て来なかったのよ」
あぁ・・・納得できた。
要するに全属性を持つ俺を息子として迎え入れ、やがては魔法の頂点に君臨させたいって事か。
「・・・断ったら不敬罪で処罰うけちゃうかな・・・
僕、どうせなら冒険者になりたい」
「ごめんなさいね。
面会は断る事が出来ないわ。
でも息子に・・・と言う話を拒否したとしても、
不敬罪にはならないと思うわ。
貴方は記憶喪失で魔法の事も知らないでしょ?」
「・・・うん・・・」
そう言う事にしといて正解だったな。
どうやら俺は息子になるルートを回避できそうで、マジ…助かった
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