第8話:説明ぷりーず

 現状で自分の荷物・・・特に知られて困る日本製の品を無限収納アイテムボックスに収納して見る事にした。


 何故「見る事にした」かと言うと、どうやって使い出し入れ出来るのか?が判らない。


 勿論、異世界小説に出て来る方法で、収納可能かも知れないんだけどさ、無限収納アイテムボックスが「珍しかったら」断然、俺を欲しがったりしないかね?って心配、出てくんのよね。


 取り敢えずは・・・声に出さない方法で・・・ボックスオープン!


 声に出さずに想像してみたらフォン・・・と言う効果音(他人には聞こえないらしい)と共に正に箱!の様な物が、目の前に差し出される形で現れる。


「(小声で)マジか・・・ボックス=箱ってか?

 この箱で無限に収納可能って事か」


 何はともあれ入れて見れば判るだろう・・・そう思って着ていズボンを脱いで入れてみると、畳まれて箱の空間に消えて行った。


 ・・・えっと…説明ぷりーず。


無限収納アイテムボックス

機能性抜群な箱。

この「世界に1人しか」持っていない優れもの!

衣類なら畳まれて収納され、衣類として分類、

食べ物は食料庫に腐る事なく収納した状態が保たれる。

生物は収納不可:所有者リョータ。

尚、誤魔化したい場合はマジックバッグの購入を勧める


 ・・・突っ込んだら負け・・・とは言え、何だろう説明して欲しいと願って説明でるとか、これもチートと言えるのかね?


 機能性が良いなら、日本から持って来てしまったであろう品を次々、収納しちゃえ!


 リョータは整理整頓を苦手としている為、この機能が今後、重宝する事となる。


 何せ日本で借りていたアパートには冷蔵庫、洗濯機、コタツ(夏場は低めの机として使える品)とデスクワーク用に買った机と椅子、ベッド、本棚、パソコン…これくらいが置かれているだけで、衣装は備え付けのクローゼットで、十分な量しか無いくらい、見た目が質素な状態だった(勿論、本棚はラノベ小説や漫画で満員御礼状態)。


 本棚の方は、ちょっとしたマンガ喫茶とまでは行かないだろうが、五十音で作者が整理整頓されていて、新作が出る度に追加の本棚を買わなければならない…と言う状態となるのは毎回の事。


 長期、新刊が出ない場合は、気に入ってる作者の小説を1巻から読み直したりして、誰もいない室内は、ページをめくる音が響くだけの時すらあるくらい。


 話がそれてしまったが、シスターに用意して貰った子供の服に着替えてみると


「違和感、半端ねぇ」


 会社に行く時でもカッターシャツ若しくはポロシャツ、休日すら同じような服で色違いとか形違いしか着ない。


 ネクタイは入社時くらいしかしてないし、ズボンもカジュアルな柔らか素材が多い。


 何せユニクロの服でもオッケーな仕事場。


 それに比べてエーテルディアは・・・布が「固い」の何の。


 食文化に革命起こす事と、衣服に革命起こす事を目標にしたいくらいだ。


「・・・寝るか・・・」


 もう「ふて寝」するしか無いと踏み、俺は少々・・・いや結構な堅さのベッドに体を横たえると、直ぐに寝息を立てて眠ったと思っていた。


【・・・すまぬな、呼びたてる形となってしもうて】


 そう・・・神様が夢に訪問して来たのだ。


「はぁ。どうして寝てる時にしか来れないのかは聞きませんけど、

 こう言う説明って転生直後・・・ああ、

 地球の方が上位惑星でしたね」


【本当にすまぬ。

 そなたに何の説明も出来ないまま

 森に落としてしまったのは、

 偶然なんじゃ】


「はい・・・?

 落としてしまった、

 と言いました?」


 少し語気に怒りがこもってしまったが、ご愛敬で許して欲しい。


 だって誰しも「落とした」と聞いたら怒るでしょうよ。


わしのミスでも何でも無いのじゃが、

 そなたが転生する時の原因、覚えておろう?】


「あ~・・・事故っすね」


 そこから説明される事、しばし・・・魔法の使い方や基本的な事だけを教えられ、神様は夢の世界から離れ戻ったようだ

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