第152話:子ザルと共にギルドへ

 従魔として登録しなければ保護すら難しいと考え


「う~ん…ココ」


      ぴかっ…


【従魔として登録なさったのですね?】


 うん…万が一さ孤児となったサルが、売り物として引き取られる事になる…なーんて言われたら渡さざるを得ないだろ?


【…悔しいですが、

 そうなってしまいますわね】


 それを避けられるなら従魔として、登録して育てる方向に持って行った方がイイと思うんだ。


 まあ何と言われるか判んないから、登録しにギルドへ行ってみるか。


 ついでに学校開始が何時になりそうか聞いておかないとな。


 校舎修復に、どれくらいの日数が掛かるかを聞かないまま自宅へと戻ってしまったからこそではあるが、流石に1か月は掛からないだろうなと思っていた。



 * * * *


 ギルドに到着し受付嬢へ


「あのね森でキツネザルの子供を保護したんだけど、

 従魔契約しちゃってたみたいなんだ。

 登録して貰えます?」


「あ、あら?

 子ザルを保護した経緯を詳しく教えて貰って良いかしら?」


 ケイトさんが何か疑問を感じたのだろう、リョータに問いかけたのだ。


「薬草さがしてる時に何かが落ちる音がしてみると、

 この子を抱えた親が傷だらけで瀕死だったの。

 で助けようと思ったんだけど…駄目だったんだ」


 薬草さがしをしていた訳では無いが「森に自宅を作ってしまった」と「知られない為」に偽った。


 勿論、証拠として薬草を出して欲しいと言われても良いように、10本「は」採集してる。


「そ、そう…。

 じゃあ薬草もってるのね?」


「そんなに見つけてないけど…はい!」


 やっぱ言われたな。


 まあ森で琥珀が10本だけ見つけてくれたから助かったよ。


 流石に山で出すと騒ぎになるからねぇ。


 遠い目になってしまうのも仕方がない。


 過去、山で出したら非常に驚かれてしまった事があったからだ。


「その子を従魔登録するのは良いけれど、

 小さすぎて途中で死んでしまうかも知れないわよ?」


「それは…覚悟してるよ?

 僕だって子ザルの親にはなれないって知ってるもん」


 そりゃね?


 飼育員さん動物専門家が担当すれば、長く生きられる可能性は出るだろうけど、流石に素人じゃ無理だって知ってるもんな。


「判ったわ。ギルドカード出して頂戴」


「はーい」


 契約すると自動的に名前はカードに刻まれはするけれど、ギルドで固定しなければ保護動物であろうと買われてしまう可能性が残るのだ。


 ペット的に買って行く貴族がいそうだからなぁ…小桜を渡せって言って来たのも貴族だったしな。


「カード返すわね。

 それと回復草の代金…

 銀貨で渡した方が良いかしら?」


「んと…2枚なら1枚を銅貨に両替して欲しいです!」


「ふふふ。

 銀貨4枚と銅貨10枚ね」


 ドサ…と置かれた硬貨の袋。


 ちょっとした小金持ちになっちゃったかな?


 まあ買い物するには銅貨が多いのは助かるけど

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