第455話 どうやら色々と興味深々・・・

 持ってる技術など皆無だからこそ「鑑定」に頼って居た事は気づいて居たらしく、自分が今の世界に生まれ変わったと聞かされてようやく「ああ、そうゆう理由か」と納得したと言う顔になったのはクロフォードだった。

「今更だが、子供らしくないな…とは感じて居たが、元々が年齢的に高かったから無理に子供らしくして居た…となれば納得だな」

「な、何か…すみません…」

「ああ、責めて居るのではないからな?

 それで向こう異世界ではクルマだったか?

 それらは普通の乗り物だったんだな?」

「普通では有りました。が、他にも乗り物は発展してますよ?」

「まあ、聞いたとしても判らないだろうけど、最初に開発されたで有ろう品がクルマ…で良いのかな?」

「・・・判りません。が、確か…そう…かと…」

 そう、電車が先か車が先か…電車と言っても蒸気機関車が最初だ、と言う事くらいしか電車関連も知らない。

 路面電車が先か新橋が先かも知らないからこそ「判らない」としたのだ。

「で、だ。クルマとやらは此処で作る事が可能になった…と見て良いのだな?」

 くるり・・・と見渡すも「現代社会の動画で見た光景」と「異世界風に加工されたで有ろう光景」では違いが判らない。

 だが、作り方と言うか工程が丁寧に「矢印」で表示されて居る。

「そうみたいです。こう…『←』言う形が上の方に有るんですけど、それが進む方角を示してます」

 異世界にも、どうやら「矢印」は存在するようで、形を指し示せば「ああ」と納得してくれる様子が伺えた。

「しかし…作って行く過程が用意されて居るとは言え、人の手が本当に必要なのか不安だが…」

「あー…確かに見た目は全て魔法で出来そうに見えますけれど、実際の現場でも人の手と向こう異世界には魔法が有りませんので機械と言いますが、自動で動く仕組みにはなってましたが、人の手は必ず入ってました」

「魔法が…ない?」

「有りません…。こう魔力と言うのが有りません、手作業が便利さと一緒になってる…と言いましょうか…どう表現すれば良いか…」

「ではまず最初に行う作業としては…」

「馬車で言う乗り場所の形を考える事から…でしょうね。

 ぼ…俺も実際に昔の車を見た訳では有りませんが、調べれば初代の車くらいは画像で見る事が可能かと…」

 そしてスマホを取り出すと、それに興味を持ったのはノアだった。

「そ、それはっ…なんと小さい魔道具なんだ?!」

「あー…魔道具ってのが有るんですね。

 これは異世界では普通に流通して居るスマートフォンと呼ばれるもので、スマホとも略します。

 この世界では電話として使う事は出来ませんが、調べる事には使えるみたいで…」

「すまほ?でんわ?調べる?何だ、その言い回しは…」

「えっと…その、これは小型の電話機なんですよ」

「でんわ…?」

「(そこからかー)例えば他の地域に居る人と此処に居る人が伝達する方法って、手紙だけですよね?」

「転移の魔道具が有れど、それが主流だな」

「それをスマホを持ってる者同士なら、一瞬で連絡を取り合えるんですよ」

 まさか車体の説明をするつもりだったのが、スマホを説明する事になろうとは思ってもみなかったリョータでは有るが、車体見本にトヨ〇だったか〇型フォー〇ってのが一番に出てるので、説明を兼ねるには必要では有ったと思うようにするしかなかったのだ

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