第454話 早速、運用…出来るんかーい

 見た感じ、最新式では無いとは思われるが、異世界風にアレンジはなされては居る物の、ほぼ自動運用が可能な状態な施設だと判明した。

 ジェイコブが

「な、なあリョータ。この施設?は今すぐ動くようなモノなのか?」

 と恐々と聞いて来た。

「う、うん…。動かせそうなのは間違いないんだ。

 でもね?人の手も使いつつって事みたいなんだ」

「らしい?」

 そう聞いたのはルーク。

「うん。自動運用できる…って説明は有って、そこに小さい道具類が置かれてるでしょう?」

「あ、ああ」

「それらは人の手で組み込まないと駄目っぽいんだ」


 そう…テレビなどで自動車工場が稼働してる動画が流れるのを見た事は有るが、最後にボディーがエンジンやら座席やらが出来上がった上に被せられる瞬間しか見た事は無い。

 だから車のタイヤを支える「軸」やら座席やらエンジンやらが「どう設置」され「どう組み込まれ」を「知らない」のだ。

 なのに此処には「それらが小さな器具らを組み込むだけで出来上がっていく仕組みが作られて居る」のが驚愕なのだ。

「要約すると…これらの材料を用意すれば勝手に作られて行き、小さい道具と言うか人の手でしなければならない事だけすれば、出来て行く…と言う事か?」

 途中から呆けて見るだけになって居たクロフォードがハタ…と気付いた事を口にした。

「断言できないのが…ごめんなさい…なんだけど…多分…そうだと…」

 見る限り動力源は自分の魔力(そりゃ無限大な魔力量だから使っても減る事は無いだろうが…)。

 魔力を何かしらに注げば動くとは思われる、が、こんなモノ…異世界の人が順応するか?と問われると「否」と言ってしまいたくなりそうだ。

「リョータ、これらを動かす動力源は魔力…だな?」

「…僕の魔力だと思う…」

「魔力枯渇になる量とかか?」

「僕以外だと…なるかも…」

 その場に居た全員が「は?」と声を上げた。

「き、君以外だと…言うのかい?」

 クロフォードの驚きは「そう」だろう。

「・・・僕ね・・・みんなには言って無かったと思うんだけど…

 これらが実在してた世界から…転生して来たんだ。

 それでね…魔力が最大限…この世界では存在しないくらいの量を持ってるんだ」


 一部の人にしか教えてなかったかな?誰にも告白してなかったかな?誰かに告白してたかな?と…一気に考えが浮かんで来るが忙しすぎて誰に何を告白したかを「全く覚えてなかった」からこその戸惑い。

「・・・転生…と言う事は、一度、その命を終えて、この世界に生まれ変わった…と言う事か?」

「うん・・・」

「その、リョータが別の世界で生きてた年齢って…」

「・・・35・・・」

「さんじゅう・・・」「ご・・・」

 ここに居る人と同年代か年下くらい…これで漸く謎が解けた気がした。

「じゃあリョータ、これから此処では同世代として会話してくれて構わんよ」

 そう言ってくれたのはクロフォードだった。

「え?」

「君は見た目は子供でも精神年齢は30代だろう?

 だったら大人で有って子供の喋り方は不似合い。

 となれば同世代として会話して貰った方が喋り易いだろう?」

「いい・・・んですか?」

「ほら…本当は『いいの?』って言いたいのを我慢してる」

「・・・ああ…有難う。ずっと子供の喋り方じゃないと変だと思ってたから、助かる」

 こうしてリョータは場所限定では有るが「素」を出す事が出来そうで有る

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