第453話:色々と異世界仕様になって居るようで…

 そこかしこに異世界風にアレンジされたで有ろう設備が立ち並び、近くには素材らしき品すら置かれて居る。

 そこに

「リョータ、全ての説明は出来るだろうか?」

 と職人を代表してノアが声を掛けて来た。

「御免なさい…確かに異世界にほんの設備なんだけど、僕…全ての道具を知って居る訳ではないんだ」

「あー…そうなのか。例えばだが、鑑定して説明が出る可能性は?」

「あるとは思います・・・でも正しく伝えられるかどうか…」

 リョータの鑑定は全てが説明付きで教えては貰える、貰えるだろうが「それ」が日本語だった場合、どう説明すれば良いか判らなかった。

「順番に判る言葉で伝えて貰っても大丈夫だと思うから教えてくれ」

「…判りました…。まずシリンダーヘッドと呼ばれるモノがコレで揺れを防止する品だと思います(シリンダーって出て居てご丁寧にシリンダーヘッドと出ては居るけ・ど・もっ!知らん人間からしたら何じゃコリャ!だぞ?!)」

 説明が出てるから、そのまま伝えはするが言葉として知り得てるだけで、それが「どの部分に使われるか?」までは理解できてない。

「これはシリンダーブロック?らしいですけど何に使うかまでは…でコチラは

クランクシャフト(腰下)…足で調整する部分かと、で

エンジンオイルはエンジンって塊(?)を潤滑に動かす油だったかモーターと呼ばれる部分を動かす油だったかと」

 様々な部位が作られて行く過程に置かれては居るものの、それが「正確に何処で使われるか」までは知らないからこそクエスチョンマークが付いてしまう。

「・・・ふむ・・・。ではエンジンオイルは詳しく判るか?」

「えっと…魔法の潤滑材?」

「それなら確か冒険者ギルドが扱ってた筈だ」

「え?(マジか)それなら手に入れやすそうですね」

「他にオイル系は有るのか?」

「えっとーブレーキオイル…合成潤滑剤?これは車を止める時に使うオイルですね多分・・・」

「それもギルド経由だな」

「ギアオイルもしくはデフオイル・・・高性能潤滑剤?これ何に使うオイルかまでは…」

「…何故かな…オイルと呼ばれる系統は全てギルド経由で手に入れられそうだ」

「あとグリス系?」

「あー・・・何か最近、発見されてたなぁ」

 ノアが切り出すとタッソが補足する。

「確か万能グリスとか呼ばれてる品が発見されたらしい。

 なんでもグリスの類が解決できる…とか書かれてたそうだ」

 ここでも神々のヤラカシが判明し「何してんの神様」と内心なったのは言うまでもない。

「そ、そうなんだ。最近、冒険者として活動して無いから知らなかった」

「まあ学業優先だろうからなぁ。知らなくても何かしら新しく発見される事は多いさ」

 何とか正気を保てては居たものの、本気で「白い空間を更に白く塗りつぶしたろか」と思ってしまい、ヤラかしてしまった神々は、知らず知らずにゾクリ…と背筋に冷たい汗を流したとか居なかったとか。

 まあ冷や汗を垂らしたとしても「自業自得」で「知ったこっちゃない」だ

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