第456話 漸く車体の説明?

 早速…とばかりに馬車の本体(乗る部分)を作る職人ジェイデンとローガンに顔を向け

「馬車を作る職人さんに見て欲しい絵が有る」

 と「子供の話し方」を取っ払った「大人な」リョータが声を掛けた。

「あっ…あ、ああ。だが…見て判るモノなの・・・か?」

 この世界で見た事のない魔道具(スマホ)を見て何かしら変化が起きやしないか、不安になるのも致し方ない。

「見て判ると思う。こちらで言う所の絵姿…に当たるモノだから…」

 写真をどう表現すれば判るか何て判りはしない。が、絵姿などは「見れば判るように絵師が描く」と言う事くらいは異世界知識として持って居るから言えた事では有る。

「そ、そうか…」

 恐る恐る…では有ったがリョータに近づき、リョータは見えるようにスマホを向ける。

 そこに表記されて居るのは古ぼけた車体を持ち、如何にも経年劣化が過ぎてしまっている、と判るものの匠の技が見え隠れする馬車の形に近いモノが絵(写真)として見えた。

「これは…何と凄い形をして居るが…」

「馬車のようで馬車では無い…な」

 見本としてググっ(調べ)て出たのは〇型〇ォード。

 車体は何で出来て居るか調べて貰わねば見ただけでは判断できないものの、壊れた形跡が無い。

 リョータは詳しい材料を説明して行く(とは言えググって出て来た内容の受け売りだ)。

「この車体に使われて居るのは銅板と言って銅を板状にした品を加工して作られてるらしいんだ。

 そして木製でフレーム…木製の梁(はり)…って判るかなぁ…を組み合わせたモノで車体を支えてるんだ。

 車体は前後が丸みを帯びて居るのは確か衝撃を吸収させる意味合いが有ったかと…四角い形は元が馬車から作られた品だったとか、何とか」

「ふ・・・む・・・。本体のココ(車体部分を指し示して)は木製と言う事だな?」

 疑問はジェイデンが主導で聞く事にしたようだ。 

「確か…ここ(接続部分を指して)が木製でココ(ドア部分を指して)が銅板だったかと」

「その辺は試行錯誤すれば解決するとして、この部分(ヘッドライト)は明かり取りか?」

「ああ、ヘッドライトだね。夜間走行する事も出来るように作られた品なんだ」

「よ、夜に走れる…だと?!安全性は?!」

「夜盗とか盗賊以外の事を指してるのだったら心配ないよ。

 盗賊とかが出たとしても相手は馬でしょ?

 車は馬より3倍速い筈だ(時速何キロって聞かれても答えられないもんなー)」

「なっ?!」

 驚き固まったのはローガン。

 それはそうだろう。今までは夜間に馬車を走らせては貴族は着ぐるみを剥がされ、女は攫われ子供は殺される運命だと言われて居る。

 だからこそ他国や隣の領地に向かう際は、野営する事など出来ない。

 するとしたら公爵以上の身分の者が護衛を雇わねば難しいとされて来た、だからこそ夜も走行可能で安全と言われれば口あんぐり・・・になるのも仕方ない。

「ただ設計図…?ってのが何処にもないんだよね…」

 と言った瞬間に〇型〇ォードの設計図がヒラヒラと天井から落ちて来て、図案化の天才ソフィアが

「これが…それ(設計図)では有りませんの?」

 と差し出しリョータとローガン、ジェイデンが目を点にしたのは言うまでも無い(又も日本の神様がヤラかしたのだ)


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車体モデルにしたのはアメリカ製のT型フォードです

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