第207話:町中で起きた事件(2)

 残酷表現が一部御座います。苦手な方はスルーして下さい

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 リョータの左側から問題児が


「死ねぇぇぇぇっ!」


 と叫びながら、殺傷能力の高いショートソードを振り上げ、切り付けようとしたのだが、小桜が左手に噛みつきリョータは「あっさり」振り下ろされた剣を受け止めた。


 勿論、団長も動いているがリョータの受け止めが一歩、早かった。


「・・・何してるんだ?

 君は謹慎処分を受け、

 自宅待機している筈だが?」


 振り下ろしている問題児の右腕を団長が掴み、捻り上げて行く。


「痛い痛い痛い!

 放せぇぇぇぇ」


 うわ…痛そう…だけど団長さんに対して「その態度」だと余計・・・。


 騎士団長に対して「放せ」とは何事か、と言わず更に力を込めて捻り上げられ骨がミシ…と音を立て始めている。


「答え如何いかんでは全ての学校へは行けなくなるのだが?

 自宅にいる筈なのに何故、

 ここにいる?」


「そいつがぁっ!

 そいつを気が済まないんだよっ!!

 平民の癖にぃっ…生意気すぎるんだよ!」


 あ・・・詰んだ。


 団長さん、物凄い形相になってるもん。


「お前はリョータにいるのだが?

 未だ勝てるとでも思ってるのか…馬鹿々々しい」


 骨折させては駄目だと思った団長は、掴む腕の力を弱めたのだが、その瞬間にリョータへと剣を再び振り下ろす…のではなく下から上へと振り上げたのだ。


 その瞬間、問題児の右側から剣が伸び、手首から先が地面へといた。


「ぎゃ~~~~~~~!」


「「あ・・・」」


 団長とリョータが顔を向けた先にいたのは、問題児の親。


 これ以上の被害を出さないようにする為、息子の手首から先を切り落としたのだ。


「・・・学校から連絡があり、

 自宅に戻って来ている筈の愚息が、

 何故、

 ここにいるのか教えて欲しいのだが?」


 痛みと恐怖、どちらが勝ったのか一目瞭然。


「父上っ!

 この平民を処刑して下さい!!

 私を騎士では無く、

 魔術師へと追いやった原因で御座います!

 どうか処刑

  「馬鹿者っ!」

 …うぎゃぁ!!」


 言葉と言う風圧で飛ばされてしまった問題児。


 団長とリョータは「馬鹿は死んでも治らないんだけど…」と冷めた目つきで飛ばされた問題児を見ているのだ。


「その平民に正々堂々、

 戦いを挑み負けたのは誰だ?」


「・・・・・・」


 痛みで返事が出来ない…って訳じゃないのにダンマリとか、怒られるって判ってんのかねぇ。


「答えないと思いますよ侯爵様」


 あれま、侯爵様でしたか。


 公の方だったとしても負けたのに殺意を抱けば…処罰されるのにねぇ。


「ここまで阿呆だったとはな。

 団長殿、こやつの腕は再生させずに、

 このままにします。

 治療は施させますが、

 学校は退学扱いにして頂きたい」


「そんな馬鹿なっ!」


「「「馬鹿な事をしておいて、

   無罪放免になると思っていたの?」か?」」


 3人の声が重なったのは偶然ではなく、普通に考えれば出て来る言葉でもあるのだが、問題児は未だ理解してないようだった(阿呆過ぎるが故に自覚してないらしい)

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