第231話:商業ギルドへGo!の筈が…

 行くとすれば品物関係を扱う場所だろうと踏み、リョータは商業ギルドへ向かうべく、地図を呼び出し、場所の確認をした。


 この時リョータは「綺麗サッパリ過去の出来事を忘れていた」為、何の疑いもなく向かっていた。


 冒険者ギルドの特徴的目印は剣と盾のイラストだったけど、商業ギルドは様々な道具が目印とか言わんよな?


 まあ行って見れば判るだろうが、目印なしで文字表記だとしても、異世界こっちの文字は日本あっちの文字として表示されるから有難いやね~。


 キョロキョロとリッツェを散策しつつ、ギルドの場所を探していると、雑貨屋のような場所に米らしき物体が袋で積み上がっているのを見つけた。


 うおっ!?あれって米俵ならぬ米袋?


 精米してない状態ならぬかも手に入るな。


 ばーちゃんが漬けた糠床…美味かったなぁ…って、あれって結構、手間かかんだよな(漬けたいが「めんどくせー」)。


 見つけた雑貨屋に近づけば、袋から少しだけ精米されてない米がポロポロと零れているのが見えた。


「オネェさん、袋から出てるけど大丈夫なの?」


 店番をしてるような雰囲気の「オネェさん」に声を掛けると驚き、破れてしまった袋を見て指摘。


「あらぁ~ん。教えてくれてありがとうねぇ。

 もしかして家畜の餌を買ってくれるのかしら?」


「うん。家畜と言うより従魔だよ。

 1袋どれくらいの量が入ってるの?」


 これで袋売りされてる物の単位が判るな。


「1袋5キロって所ね。

 アタシそんなに力持ちじゃないのよねぇ~」


 思わず「嘘つけ」って言いそうになったが、そこは元サラリーマン。


 言わずに


「じゃあ2袋分、下さい!」


 と買う気マンマンだよ、ってな態度とらせて貰いましたよ。


 オネェさん…ものすご~く嬉しそうな顔しちゃってますが…ロックオンされたか?(ヤメレ…オネェさんにモテても嬉しくねぇ)。


「じゃあ1袋、銅貨5枚(500円)もらっていいかしら?」


 えっと…向こうにほんで米5キロって…そんなに安くねぇよな?!


 俺は専ら「サトウのごはん」とか「レンチンごはん」が主流だったから知らん!


「じゃあ…はい!」


 ポケットから預かって来た金銭を渡すフリをして、アイテムボックスに貯金状態で保管していた銀貨1枚をオネェさんに渡した。


「あらぁ~、

 大金を預けるなんて親御さんは凄いわねぇ。

 今いくつぅ?」


「ぼ、ぼく・・・10歳」


 本当は35ですが、見た目の年齢、言わせて貰ってロックオンを解除させて貰います!


「あらぁ~。

 20代ならオムコで来てって、

 交渉するつもりだったのにぃ残念だわぁ」


 まさかの「どストライク」?!


「オネェさんなら僕より恰好いい人が現れるよ!」


 社交辞令的に返させて貰うが、このオネェさん…性転換したのか?ってくらいに「すこぶる美人」さんなのだ。


 喋らなければもとが男性だなんて、気づかないだろう。


 商業ギルドで白米を扱っている場所を聞くつもりが、道中で目的の品を見つけてしまい、ギルドに行く事なく手に入れてしまった。


 ま、結果オーライって事で自宅に帰って精米しますか!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る