第230話:チートな理由

 久しぶりではあるが、神様の声が届き「適正」があった理由を知る事となる。


其方そなたが適正ありとなったは、

 異世界からの転生が原因であり、

 あちらでの知識も加えられておるのじゃ”


 日本で読んでた「ざまぁ」系の小説が根本にあったから…ですか?


”ざまぁ系だけが原因となった訳ではないがな、

 小説が根本にあったが故、

 「適正あり」と正しく判断されたのじゃ”


 正しく…と言う事は「選定の儀」自体が「間違っていた」訳では無いのですか?


”間違ってはおらぬが、

 複数適性がある者もおってな、

 どちらがより適正があるかを見極める為、

 ワザと適性がない方を提示した…

 と言うべきじゃな”


 ・・・それは今後、止めた方が良いかと…。


”その点は反省しておる。

 こうも阿呆な輩ばかりが生まれる結果となろうとは、

 思わなかった故、

 其方には苦労を掛けてしもうたのぅ”


 巻き込まれ度合の数値は、どうして「マックス」なのですか?


”初めは「巻き込まれ体質」じゃと説明したがな、

 日々を過ごすうちに「度合」に変化し、

 変化した時は其方流に言えばカンストしておった。

 じゃがな、余りにも巻き込まれすぎておるでな、

 稲荷神が恩情で徐々に「度合」を少なく出来るよう、

 細工してくれたんじゃ”


 お稲荷様が…。


”これから先、

 其方が「巻き込まれる度合い」が徐々に減り、

 15になる頃には皆無となろう。

 それまでは小さな「巻き込まれ」は起きてしまうが、

 其方なら彼方にほんでの知識で乗り切れると思う”


 判りました。


 様々な神様から属性を頂けたのは転生した状態では、この世界で「迫害される」可能性があったからでしょうか?


”其方が育った世界に魔法は存在しなかったであろう?

 それ故、属性を精神世界で付与できなかったんじゃ”


 あ~…日本で俺は事故死しちゃったから…って言ってましたね。


”すまぬな…。

 天寿を全うした者と、

 天災で命を落とした者に付与できぬのでな。

 其方には未だ未だ絡む輩が現れるかも知れぬが、

 乗り切ってくれると有難い”


 …了解です。阿呆な輩が多いと判っていれば対策も取れます。


”疑問があれば「説明」に聞けば答えてくれるからの。

 ではな”


 そう言って神様の声は途切れ、室内には盛大な溜息だけが吐き出され、家畜用の餌が売られてるかを確認すべく小桜を呼び出した。


「小桜ぁ~」


【どうなさいましたの?】


「小桜でも人間世界で、

 家畜の餌があると言うのは知っていても、

 米、白米、しらむぎ、玄米のどれか、

 扱われてるなーんて知らないよね?」


【聞いた事がある、と言う程度でしたら、

 白米と呼ばれる餌がありますわ】


「へっ?は、白米?」


【呼び方が合ってるかは知りませんが、

 白く固い家畜の餌がありますわ】


 小桜によって白米が存在する事を知ったリョータは、日本の「お米」と大差がないのか否かを確認すべきだと判断し、扱ってそうな場所をギルドで聞こうと考え、小桜と共に、街へと出かける事にしたのだった

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