第21話:勉強!の筈が・・・

 保護されて3日目、無料宿泊所で目覚めた俺は、今更ながら日本では無い場所で目覚める違和感に慣れていない。


「んっ・・・ああ・・・そう言えば、

 異世界に何時の間にか転生してたんだっけ」


 今まで大人だった体が子供になって、見た目も日本人離れしている姿に、そうそう慣れる訳が無い。


 んー・・・と伸びをして、堅かったベッドで凝り固まった体を少しだけほぐし、出来るかな?てな感じで


清潔魔法クリーン!)


 と完全無詠唱してみると、やはり覚えられるらしく、さっぱりとなったのは言うまでも無い。


 マジか・・・思い描く魔法が覚えられるんだったら、文字や説明で覚えられる可能性も出て来るか。


「ま、なるようにしかならないか」


 考えるのを諦めてしまうが仕方ない、何せ「何の説明」もされず「落とされ」た状態なのだ。


「リョータ起きてるか?」


 この声はギルマスだね。


「うん!起きてるよ!!」


 名前、教えて貰って無いが支障はないだろうか。


 まあ、ギルマスって呼んでいいってお墨付き?貰ったからイイとは思うけど。


「じゃあ昨日の部屋に着替えたら来てくれるか?」


「はーい」


 って事はギルマスの執務室…で合ってるのか?


 そこでで勉強を教えて貰えるって事か。


 まあ魔法は学校の方が詳しく教えて貰える可能性があるけど、基本を教えて貰えるなら嬉しいな。


 寝間着なんて持って無いから下着で寝てた俺は、孤児院で用意して貰った服に着替え、ギルマスの私室てか面談室…(執務室でいいか)へと向かう事にした。


 異世界こちらの金銭を持っていないから依頼を受ける必要がある、しかし依頼を受けるなら文字を「読めない」とならない。


 読めると言うか、異世界こちらの文字が、日本語に「脳内変換されている」ので、書く事が出来るのか?と不安になる。


 だけど…日本語しか書けない(多少の英語は書ける)俺が、異世界こちらの文字を書けてしまうと言う反則技が起きる事となるとは思っていない。



 * * * *


「おう来たな」「よろしくおねがいします!」


 教えて貰えるのに礼をわきまえないなど、出来る訳も無いが、10歳の子供が「それ」を出来るとは言えないので教えて貰える事に感謝する言葉を口にした。


「まず文字は、

 エーテルディア文字と呼ばれる字体で形成され、

 文章が作られているが、

 書体としては3種類ないから覚えるのは楽だと思う」


「へぇ・・・そうなんだ」


 漢字、平仮名、片仮名、英語・・・日本で覚えられる文字としては、結構あったからな。


 便利な翻訳機を使えば全世界の人と会話は可能なくらいに、発展している世界から馬車や徒歩、馬での移動「しか」無い世界に来てしまった。


 他にも乗り物があるとは思うが、俺が目撃した乗り物は「それ」くらいだった。


「先ず基本の文字から教えるから、

 書いてある文字が書けるか挑戦してみろ」


「う、うん・・・」


 いきなり実践?!日本語で書いたらバレるんじゃ・・・。


 リョータは不安しかなかったが、エーテルディアの文字が書けてしまうさまに、目が点になる事を今は知らない。


 怖いが書いてみなきゃ書けるか判らねぇし・・・腹括れ!


 現地の文字(3種類のうち1種類)が、見本で書かれているのだが、難なく書き始め本人とギルマスが驚く結果になろうとは思ってもいなかった。


 えっと…これ、恐らく何だけど子供(10歳の子供に限る)が書ける文字が表示されてるんだろうけど「あ」って書いたら異世界文字であろう「あ」が表示されていて、それが「あ」であるって読めるんですけど…何が起きた?


 もしかしなくても言語理解的なスキルが発動されて…ってステータスに掲載なかったよね?何で読めて書けてるんだろ

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