第431話:届いた手紙~勉強は一時おあずけ?

 Sランクと言う、規格外(本来は4S)のリョータは、授業どころか、学ぶ事が無いと「思われて」しまって居る為、AランクやBランクが居る「合同クラス」で覚えて無い可能性が有る事柄を学ぶ事となった。


「しかし下級生がFランクの魔物すら倒せない者が多く居るなど、

 誰も予想しないよな」


 そう愚痴をこぼすのは、数少ない上級ランクと確定した1年生に向けて上級生が放った言葉だ。


 流石に1年生だけでは授業人数が少なすぎて、勉強どころでは無くなると考え、上級生から教えて貰う事を目的として、数人ほど一緒のクラスとなったのは3年生だ。


「有名になってしまったリョータだったか。

 そいつは規格外のSだと言うのは間違いないのか?」


 そう問われて苦笑するしかないのがリョータで有る。


「一応…ランクを上げざるを得なかった状況を知ってるのは、

 あの時、参加した冒険者ランクの上位者たちです」


「あ~…第1だっけ?王子様が、叱られた反動だっけか?

 ゴブリンの巣と知らずに10個ほど、

 壊して街道を封鎖しなくてはならない状態にした…と言う奴だな?」


「あの時はEだったんで、F以上は参加して欲しいって、

 招集かけられたんですよね。

 自分が規格外の魔法を使えるってキレイに忘れてて、

 大穴あけたり魔法で燃やしたりと…

 ヤラかしまして…上位種が出たから最前線に行って欲しい…

 何て言われてEだと言ったら嘘つけ…って疑われて…」


 色々とヤラかしまくって結局は、一撃で倒してしまい、Eが一気に上がってしまう結果を招いたのだが、自分としては「暴れ足りてない」のだ。


「・・・色々と規格外なのだな」


「僕…記憶が…無くて…どうして魔法が…

 そこまで強いのかも知らなくて…」


 そう言えば記憶喪失だと言う噂は聞いて居たな…と、その場の空気が同情しそうな雰囲気になって来た所に魔法便が届けられる。


      ポン♪


「あれ?リョータに魔法便…?指名依頼とかか?」


「えっと…それは無いとは思いますけど…確認してみます」


 ペーパーナイフを取り出し封を開けてみると、どうやら白米の炊き方を教えに行ったフェルナンデス家からの依頼らしく、読み込んでみると「新たなレシピを提供して欲しい」と書かれている。


「どうだった?依頼ならば…

 「いえ依頼は依頼ですが料理指南でして」教…は?!

 りょ…料理指南…とは?」


「実は最近、貴族の方々の間で流行り始めた白米と言う…

 元は家畜の餌だった品を食べられるようにしたのは僕なんです」


「「「「はあ?!なっ…あの美味い食い物を考え出したのは、

    お前だったのか!?」」」」」


 一斉に驚きの声を上げたのも仕方ないだろう、Aクラスには貴族の次男や三男が多く、在籍して居る。


 だからこそリョータ発信で白米が食えるようになったと知り、新たな食べ方が伝わって行くのかも知れないな…と言う期待の目で見られるので有った

(別の意味で巻き込まれ体質、発揮されちまうリョータは哀れか?)

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