第228話:ようやくフワっふわなパンを咀嚼
注目されて食べにくい状態だったのが解消され、ようやく食事にありつく事が出来たリョータ。
ツナマヨ…うまぁ~♪
オリジナルで作ったとは言え、やっぱ
市販のサンドと同じくらいの柔らかさだわ。
モグモグと、噛みしめるように咀嚼する姿をこっそり「覗き見」する阿呆がいるのに気付いたが無視を決め込み2個目のハムサンドに手を伸ばす。
「どうやら心配しなくても作れたようだな」
そう声を掛けて来たのは団長。
転生者だと知っているが、料理が出来るとは思ってもいなかった為、持って来れるかを心配していたようだ。
「う…はい。パン屋さんが優秀なんですよ」
耳をダンボにして情報を得ようとする阿呆がいる為、機械を使ってパンから作った事は秘匿した。
パン屋と言うキーワードさえ渡せば多くあったとしても、パンを手に入れる事は可能だろう。が、リッツェにあるパン屋は、リョータが持参したモノよりは質が少しばかり落ちてしまう。
少しなのだから何かしらの工夫をすれば、同じ品を朝食に作って貰う事も可能だと思って貰えれば、御の字である。
ハムサンドも平らげタマゴサンドとカツサンドも胃袋に消え、たった4つではあるがリョータは満腹感で満たされる。
はぁ…美味かった。
今度の休みに家畜の餌が売られてる地域に行ってみなきゃな。
異世界物語のテッパンで、米が家畜の餌として使われてるパターン多いもんね。
絶対に見つけて某有名牛丼店の肉汁マシマシなので丼を作って来たいな。
ガン見してた連中、
自分の胃袋に収まる量の弁当、持って来る事が出来るって「し・あ・わ・せ」♪
2週間に1回くらいはカレーの日を用意するかな?
カレーライスにカレーうどん、カレーラーメンにカツカレー。
想像しただけで楽しみで仕方ない。
あと丼物と言ったら親子にカツに海鮮丼…は海があるから作ろうと思えば作れるか。
豚丼にイクラ丼、うに丼に天丼…上げたらキリが無いやね。
自宅でのテロとしたら味噌汁は欠かせないやね。
ジャガ、豆腐、茄子、麩、わかめ、油揚げ・・・は他の材料と一緒に入れれば旨いよな。
やべぇ…ジャガイモの味噌汁、飲みたくなってきた。
昼食を終え食休みも終えたリョータは、自分が使ったコップを洗い場へと持って行き、綺麗にして戻すと自室へと弁当箱を持って帰りながら夕飯テロに想いを馳せる。
「リョ、リョータ殿その…
パンは何処で入手したのでしょうか?」
そう声を掛けて来たのは何処ぞの令息…では無く家令。
執事とも言うらしいが、詳しく知らないリョータは
「教える理由が無いんだけど答えないと通してくれないの?」
と「まっとうな反論」で行く手を遮ってしまっている家令に名乗りもしないで通せんぼするとは…と呆れているのだ。
「ここは学生しか入れない食堂の筈…
正式に抗議文を送らせて頂きたいのですが、
どちらの家令でしょうか?」
しまった…とばかりに逃げ出そうとした家令ではあったが、そんな事を団長が許す筈も無く、家令に命令した令息は謹慎処分を受ける羽目となってしまった(らしい)
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