第416話:閑話~手紙を受け取ったディランは驚愕

 町の守りは不要となり、それぞれの屋敷で万が一が起きた時の連絡手段が置かれた場所で、自分の時間を楽しんで居たディランの元へ名を指定した手紙が届く。


「魔法便…?ああ、

 小食すぎて弁当を持って来たいと望んだリョータから…

 か。何か起きたのか?」


 良く問題事に関わってしまうリョータが、何かしらの問題に首を突っ込んでしまったのか、と思ったのだ。


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       ディラン・マルティネス様


 お久しぶりで御座います。

弁当を持参する事を許可頂きましたリョータです。

実を言いますと私は商業ギルドのギルドマスターに

意地悪をされ、領地内に居住地を構える事が出来なくされまして、

森の奥地に住まいを構える事となっております。

その森で実を言いますと、とんでもない存在を目撃したのです。

目撃状態は私を逆恨みし屍食鬼となった

クロフォード商会のライバル商会に在籍する人物が

私を探し森を彷徨って居る状態でした。

そこに現れたのがヘビのような体つきで、

偶然では有りましたがランクを見る事が出来まして…

エス5と、有り得ない表示がなされ恐怖に包まれましたが、

何とか気づかれる事なく難を逃れる事が出来ました。

魔物の名を調べてしまえば自分を探され、

食される可能性が有った為、名前は判り兼ねます。

ですがSが5つも有る魔物が居た…と言う報告を

どなたかにしなければならないと考え、

街を守ったりする騎士となるべき知り合い…となれば、

ルーカス様か団長さんしか居ない為、

団長さんに連絡する事にしました。

もし魔物を探すとなれば強者を大人数、

同行させなければならないと思える程、

恐怖を感じた魔物です(魔物図鑑にも記載は有りませんでした)

調査するなら雪が解けてからにした方が良いと思います

                リョータ

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 文章を読み、頭を抱えてしまう。


「・・・なんつー事に巻き込まれまくってんだ、あいつは…」


 しかし…とある一文に目を止める。


「…S5の魔物…しかも図鑑などに掲載が無い…

 もしかしてアナコンダーなのかも知れないな」


 一部の騎士しか知らされて無い存在では有るが、蛇の見た目でデカく、すこぶる強者な魔物として共有事項となって居る。


 そんな「誰も知らない魔物を目撃」しただけでなく「屍食鬼となった人物を丸飲みした」瞬間を目撃した…とは、と盛大に溜息を吐き出した。


「…それにしても、どうしてリョータは、

 問題に首を突っ込むようになってしまうんだろうな」


 首を突っ込む気は無いだろうリョータが「何故か」首を突っ込んでしまう結果となって居る事が不思議でならなかった。が、今回、目撃してしまった。


 目撃した…と言う情報を伝えるのに「自分が森に居住地を持たざるを得ない状態となった」事を報告しなければならないのを、どれだけの覚悟で伝えて来たのだろうか…とリョータの身を案じるしかなかった。


 だが考えなければならない事が有った。


「調査するなら…と書かれてると言う事は、

 どちらの方向から現れ、どちらの方向へ逃げたか…まで見て居た、

 と言う事…か」


 そう逃げ出した方向まで見て居た事が伺え、学校が始まり次第、リョータに詳しい事を聞かなければならないな、と気を引き締めたのだった

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