第374話:出来上がったエンジン類

 リョータが鍛冶職人や馬車職人、カーテン職人に依頼を出して1週間後、見本として異世界の神が送ってしまった車は解体され、何が使われてるかを把握でき、それぞれのパーツ事に設計図のような物が仕上げられ1つ目の見本として完成していた。


「これ…見本と瓜二つな品が出来たが…

 どうやってリョータに知らせるんだ?」


 そう…リョータは「開発願い」を出したにも関わらず「連絡手段」を提案してなかったのだ。


「連絡方法は後で考えるとして、

 どうやって組み立てるか書き残してるよな?」


 そう確認したのはローガン。


 開発と言うか、作成の総責任者に抜擢されてしまったからではあった。


「勿論、同じ品とまでは行かないにせよ、

 組み立てられなければ、

 増産など出来ないだろ?」


 魔道具職人の纏め役…ジェイコブの発言に全員が首を縦に振る。


「当然だな。元の形を再現できなければ、

 欲しいと望まれた時に困るのは、

 依頼された俺たちだからな」


 見本の車は解体されたものの、元通りに戻されている。


 それは彼らのスキルが発揮されたからではあるのだが、それだけでは再現は出来なかっただろう。


 図案を解体前に残してなければ、再現は難しかったと言える。


「先ずは見た目は合格だと思うが…

 クッション性のある品…

 リョータは何を使う気でいるのだろうか」


 座席の形は作れている。


 そこにカーテン職人が作る布を張ったとしても、座り心地は見本とは似ても似つかない。


 「ざせき」と呼んでいた場所を解体して触って見たが、この世界には存在しない柔らかい素材…鑑定して「ウレタン」だと判った。


「座って沈み、立って戻る…

 そんな素材など…魔物では再現できんだろう?」


「もしかしたらだが…魔物の毛…を集め固めれば…

 再現できる可能性はあると思う」


 そう答えたのはレックッス。


 カーテンを扱う職人ではあるが、馬車での長距離移動で体を痛めたく無い貴族から、クッションカバーを依頼される事もあったから、知ってはいたのだ。


 ただ、貴族が使うクッションは水鳥の羽で、生地が薄すぎると飛び出してしまうと言う難点があるのだ。


「組み立て方も判ってない状態で解体しちまってるからな。

 戻したとしても正しい戻し方では無いと思う」


「「「「「だろうな」」」」」


 リョータが訪問するまで、どうしようか…と悩み始めた時


「連絡方法を考えて無かった事を思い出したんだが…

 魔道具で何とかなるだろうか?」


 と言うリョータの声が聞こえ、一斉に


「クルマを元通りにしてみたが、合ってるだろうか!?」


 と尋ねてしまった。


「うおっ?!良く戻せたなぁ…ガラス類は、

 そのままにして解体したんだな」


 フロントガラスなどを外した形跡が無いのを見とがめたからではあったが、嵌め方どころか外し方すら判らなかったから解体しなかっただけである。


「それは難しいと判断したからだ。

 連絡方法を魔道具で…と言う事か?」


 次なる提案へと話を持って行き、彼らの開発は益々、忙しくなりそうである


注意)本来なら道具類で解体すべきエンジンですが、

   異世界ならでは…と言うか作者は専門家の知識を持っておりません。

   従いまして詳細な解体表現は出来ません申し訳ないm(_ _)m

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