第401話:忘れて居た品・・・

 翌日の事…車に携わる前にお願いして居た品の事は、誰もが綺麗に忘れ去っており、クロフォード商会にハンターがカバン1つで現れ


「こちらに嬢ちゃん…サミー嬢が居ると思うのだが…」


 と声を掛けると、その姿を確認したサミーが


「ああっ!ご、御免なさい!!

 お願いして居た事をすっかり忘れてましたわ」


 と道具作成をお願いしたっきり、出来たかと聞きに行く事もして無かったのだ。


「結婚準備に忙しくして居る所に、

 何かしらの出来事にも関わってると聞き及んで居たからな。

 持って行く事は決めて居たから気にするこったねぇ」


「本当に御免なさいねぇ…

 ハンターさんにダッコクキをお願いしたっきりだって、

 今まで忘れてた何て…失礼すぎるわね」


「そ、そこまで気にするこったねぇって…」


 物凄い落ち込み様なのが気になってワタワタとしてしまうハンター。


 一旦、元令嬢を宿へと案内し自宅へと戻って居たリョータが、その現場に遭遇し


「あ!もしかして脱穀機を作ってくれた職人さん?!」


 と驚きの声を上げ、その声に反応したのはハンター。


「お、おう。そうだぞ?

 もしかしてサミー嬢に願い出て作って欲しいって願ったのは…

 お前さんか?」


「うん、そう。見せて貰えますか?」


 見本の図案…と言ってもネット上に掲載されて居る品をコピーした紙を渡してたので、完全に再現は出来てると思う。


 思えるのだが、出来上がりを見なければ心配なのだ。


「勿論だ、確認してくれ」


 マジックバッグからヌー…と現れた品は、まさに脱穀機。


 鉄腕の番組で見た事が有る形そのままで再現された道具…これで脱穀でき、白米が大量に売れるようになる。


 と嬉しそうな顔をしたリョータ。


「良く再現して頂けてます。

 この形を量産できますか?」


「りょ…量産だと?!」


「うん、多分なんだけど爵位を持ってる人が、

 自宅に欲しがる可能性が有るんだ。

 お願いされたら作れる体制を取っておきたくて…

 勿論、願い出ない可能性も有るけど…」


「・・・そう言う事か。

 あらゆる想定をしておかないと、

 お願いされた時に困るのは俺…

 と言う事だな?」


「うん、そう。

 無理なら手分けして形の材料を生み出して貰うよう手配、

 出来ると思うけど…どうしますか?」


 しばし思案したハンター…1分も掛からないうちに


「量産体制は整えられると思うが、

 元の図案通りで作ってない」


 と返答を返して来た。


「え・・・もしかして…

 自分なりに改良できたの?!」


 驚きの返答が返って来て慌てたのはリョータ。


 まさか自分なりに使いやすそうに改良できるなんて、素晴らしい職人じゃないか!と嬉しそうに反応してしまう。


「出来たと言うか、その方が大量に作る場合、

 楽だろうと思えたからな」


 なんとも量産できる形に改良してしまうなど、流石な職人だなと思い、彼もクロフォード商会で作業しないか?と誘いをかけ、他の職人と共に作業する事が、あっという間に決まってしまうのだった(勿論、レイさんに許可は取るつもりで、忘れるリョータに代わって、報告したのはサミーだった)

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