第41話:忘れ物
流石にEランクで上位種討伐は、有り得ねぇか?
強者であろう魔物を標的にして、魔法を作り出して見たかったんだが、無理なものは無理だ。
となるとスライムが無難か?作り出すだけなら依頼を受けずに森で練習する事も出来るんだけど、やっぱり魔物相手に打って見たい訳で…悩ましいな。
薬草依頼を受けて出会った魔物を倒すのはありか?
まあ狂暴なのに出会ってしまったら逃げ一択しか残らんが…う~ん…。
「そう言えばポーションとか作れるんだよな。
毒消しのポーションとして使えると書かれてたのが毒消し草だし、
魔力の枯渇に至った場合の補充で、
魔力(MP)ポーションはありそうだよね。
となると作る薬草も存在してるよね?」
説明かもん!
【はい。MPだけでなく、
体力値…HPもポーションが存在しています】
じゃあポーションにもランクがあったりする?
【しますね。
最高級から最低級まで存在していますが、
市販で売られているのは上級、中級、下級くらいです】
区分に分けられる条件は?
【薬草の鮮度と魔力の量が関係しています】
作り方の基本は?
【魔力の水を作り煮出す方法です】
ありがとー!
「イメージとしては、
乳鉢を使って磨り潰す方法かとも思ったけど、
煮だし製法だな」
さて、討伐に行くならEランクの依頼があれば良いけど、ギルドに行かないと判らないよな。
あ…着替え買うの忘れてた。
* * * *
武器屋ちかくにある洋服屋さんに向かい、子供服が置いてあるか確認する事にした。
カランカラン…ここにもドアベルがあるんだな。
入った瞬間、ハンナさんに
あれま、ハンナさんの言葉が余程ショックだったのかな?
それにしても、あれから1週間以上、経過してるのに…この状態とか売り上げ大丈夫か?!
ブラッドさん、そっちのけで俺は普段着用する上着と、汚れた時の為にズボンも探す事にした。
鑑定すれば俺が着用できる服は選択できる・・・とは思うが…。
キョロキョロと子供が着用できる大きさの服を探していた。
「おいおい、しけてんな~、この店」
入店ベルと言うべきなのかは不明だが、ベルが大人が数人、入って来た事を教えてくれた、と同時に「ひやかし」の言葉を茫然としているブラッドに向け放ち始めた。
「確かに買う気にはなれねぇな~、
シスターに告白して拒否られたんだけ?」
「ギャハハハハハ!そうらしいぜ」
あからさまな冷やかしで入って来た冒険者3名は、ブラッドの傷心を良い事に次々と商品を床にぶち撒け始める。
ああ!せっかく綺麗に並べられてたのに…。
リョータは自分で買う予定の品は死守して、支払いをどうしようかと、右往左往している状態。
「おい、坊主。
ここの商品を買わない方が良いぜ?」
「・・・どうして?」
まあ返答は恐らく「コイツの悪運まで買う事になるぞ」だろうな。
「こいつの悪運まで買う事になるからな!」
大爆笑されても呆けたまま、商品が汚されても呆けたまま…このままだと商売あがったりだろうな、と思いツンツン…と脇腹を突いてみた。
ブラッドさんは呆けた状態から怒りの形相に変化し、商品を荒らしまくった冒険者たちを一瞬でドアの向こうに蹴り飛ばしていた。
鬼の形相なブラッドさん…Eランクな俺から見るとAランク以上の実力が有りそうに見えるんだが…一体、さっきまでの呆けは何だったんだ?
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