第442話:閑話~ヤラかしまくった日本の神
リョータの独り言は日本の神…特に食の神に届いてしまった(らしい)。
「日本食を懐かしんでくれるのは嬉しいが、
流石に異世界には無さ過ぎるな。
ならば日本式の料理を異世界様式に変換して夢として送る事は可能かしら」
日本の「食」に関する神…トヨウケ(女神)は御飯と味噌汁に焼き魚…と言うシンプルな日本食からハンバーグ定食やマックなど、あらゆる「食」に精通して居る神様だ。(※=所説あり?)
そこで「思いついてしまった」方法が動画レシピサイトに掲載されて居る、良太が転生した時点で掲載されて居たレシピ(特に日本食)を異世界に居る料理人に送る事だった。
勿論、日本にしかない食材で作られて居る物の方が多いのだが、そこは便利に変換させ、日本の特産品は異世界の特産品としたり、作られて無い筈の野菜や果物などは、農業を生業とする人物へ「種」と出来上がりの形を夢として送ってしまえばイイか…などと「リョータが巻き込まれ追求される」事が頭から消えてしまった状態で、鼻歌を歌いそうな勢いで次々と「あれを送ろう」「これを送ろう」と送りまくったようだった。
そんな送られてしまった異世界の料理従事者たちがどうなったか、と言えば…
「「「「「ぎゃぁあああああああああああ!頭がぁああああああああ」」」」」
強烈な頭痛に見舞われ、のたうち回る程に苦しんでしまったが、リョータがメイスンに教えた「卵チャーハン」も送られ、あらゆる屋台の店主に焼き鳥やらタコ焼きやらベビカス(ベビーカステラ)などの軽食すらレシピとして記憶が刻まれたらしかった。
ゆったり異世界の冬休みを堪能したリョータと、異世界から「強引」に料理レシピが脳裏に登録されてしまった料理人とでは、疲れ具合が半端ではなかったのは言うまでもないだろう。
しかし、リョータが原因で有る…と言う事に気付いたのは誰一人としておらず、ただメイスンだけは「もしかして」とは思ったものの、記憶喪失の少年が記憶干渉して来る訳が無い…と考えから外してくれた(らしい)。
色々なレシピが刻まれた料理人たちが、こぞって「今まで見向きもしなかった商品」に手を出し始めた事に一番驚いたのはレイの婚約者…サミュエルの雑貨屋に押し寄せたり、リョータが買い物した時は、閑古鳥だった店が繁盛店に…と違う意味で大騒ぎとなって居た。
その事を知るのは新学期が始まる時なのだが、自宅に居たリョータは悪寒が走り「何か起きたかも」と嫌な感じを覚え、覚悟はしたようだった。
(あー…この寒気って日本の神様が何かヤラかした可能性、高いな)
その可能性が的中するのだが、そんな事が自分の身に起きるなどと思って居なかったメイスンは次から次へと御飯を使ったレシピを毎日、日替わりで作り出し、ルーカス家の食卓が一時的では有るが、日本食オンリーとなったと聞かされる事となるのだった
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