第441話:色々想像は膨らんで…

 精神的苦痛から解放された…と言い難いが、1品説明するだけで疲労困憊になってしまったリョータは、メイスンにチャーハンの派生料理を考えて貰うと言う方法で丸投げし、森の自宅に戻ってベッドにダイブして居た。


 あ~…つくづくクックとレシピ動画サイトの有難みが理解できたってか、見て貰うのと教えるのでは雲泥の差…っての体験てか実感しちまったよなぁ。


 日本なら「卵を使ったチャーハン」などとググって見れば、レシピだけのサイトから作り方を動画で見る事が可能なサイトまで、幅広く存在していて精神的な困憊は起きる事は無かった。と言うより、自分で作るには手順を覚えて居るからこそ手抜きすら容易かった。


【何をしに向かったかまでは聞きませんけど、

 そこまで疲れる事でしたの?】


 誰も見つける事が出来ない状態にした自宅で自由にして貰うよう、影から出て居た小桜が、あまりにも疲れ切って居るリョータを見て疲れる理由が有ったのだろうか、と聞いて来たのだ。


「まーねー。自分で自分の食べる分を作るくらいなら、

 スマホからレンチン(レンジでチンして食べられる)物を取り寄せるだけで、

 事足りるんだけど、流石に教えるとなると…

 日本なら『これ見てくれる?』だけど此処だと『ああして、こうして』って

 手順を見て貰わないと駄目だからねぇ…」


 小桜は動画なるものが絵が動き動作を見れる…と言うくらいの認識しかないが、リョータが時折、玉を打って投げて取って…と言うのを過去とは言え、見て居るのも知って居た。


 だからこそ、動作を確認出来る「動画」を見て貰えたら楽だなー…と言うボヤキすら溜息交じりで聞く事が出来て居た。


【それにしても動画でしたか、それは様々な料理を見る事も可能ですの?】


「うん。何だっけなー…クラシルだっけか、

 材料から料理の手順までが簡単に見る事が出来るサイトが有って、

 それだと『コレを用意して、アレとコレとソレを混ぜて』って言うのすら見れるんんだよ」


 そんな会話を聞いてか予測してか…までは判らなかったが翌日、料理スキルを持って居て白米の料理やら新たな料理を覚えたい…と望む料理人や主婦に日本の神がヤラかしまくって「動画レシピサイト」の料理を「異世界バージョン」で脳内に送り込んだらしいのだ。


 リョータが冬ごもりから行動開始する春先まで、その事に気付く事は無いのだが、リッツェに出向いて「あれ?何で醤油の匂いがするんだ?!」と驚愕する事になろうとは、この時は気づく事すらなかった。


「御飯を使ったレシピってカレーやら丼物やら寿司…上げたらキリないよなぁ…」


あるじ…食い意地が張ってますわね】


「うぐっ・・・」


 御飯が見つかれば、あらゆる食べ方が想像できてしまう為、食い意地が出ても仕方ない事では有るのだが、まさか…まさかな出来事が起こって居るなどリョータは想像すらしていなかった

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