第440話:1品目、完成…て後いくつ教えたらいいの?!
調理場には香ばしいゴマ油の香りと醤油の焦げた匂いが漂っていて、小腹が空いて居たのか、何処からか「ぐぅ」と腹の音が聞こえ、現実逃避していたメイスンがハタ…と戻って来たらしく
「お、おい…リョータ。
これ…いくら何でも4人分…じゃないよ・・・な?」
「4人?!そんな量、僕おぼえてないよ?
記憶の片隅に僕が食べたいなーって覚えてただけだって言ったでしょ!?」
そう…メイスンは侯爵家の人数を教えて貰って居ると「思い込んで」おり、リョータは「1人前だけ教えれば大丈夫」と思っていたからこその、疑問でも有った。
「・・・あ・・・俺…が…説明して…な…か…」
シュン…と意気消沈と言うか撃沈と表現した方がいいかも知れないが、ガックリと肩を落として最初に4人分をとか人数を指定してなかったな…と今更ながら思い出し顔面蒼白になって居るのだ。
「に、人数分じゃないとしても白米の量って、
食事する人によって違うよね?
例えばだけどルーカス様の母上…って言い方が正しいか忘れてるけど、
女性と男性では量が違うでしょ!?」
「あー…」
リョータに言われ納得したのはメイスンだけでは無いようで…
「料理長?リョータ様の指摘は正しいですわ。
私たち女性は、そちらの白い物体(白米)を
こんな(三角形を手で型どり)形では、
1個が精いっぱいですわよ?」
「騎士団長さんは10個…
昼に食べたって記録が残ってるから…」
「確かに…そうか。
個々の量に応じて白米を加減しなければ廃棄してしまう…
と言う事になりかねないな」
そんな事したら勿体ないオバケが出…げふん…こっちで口に出したら駄目なやつ~。
てか、今まで気づいて無かったけど、廃棄される食品って無いって事か。
「あ、あとね完成した焼き飯はね、
中に入れる材料を変えれば色々と作れるから考えて下さいね?」
「は・・・?食材を…変え・・・る?」
「うん。基本はニワートリの卵を温かい白米に絡めて炒める…
なんだけど、僕の記憶に残って居る食材が有るか判らないんだけど、
イカとかエビとかホタテって言う海の幸を入れたり、
高菜って野菜を漬物にした品を使って高菜チャーハンにしたり…
アレンジがしやすいんだ」
そう、日本にはチャーハンと名が付く食べ物には無限に使える食材が存在して居る。
高菜チャーハン、えびチャーハン、レタスチャーハン、あんかけチャーハンなど。
海鮮チャーハンなどは、市販されて居る冷凍シーフードを代用して使う事も出来て居た。
素人の範疇に収まるくらいの知識しか持って無いからこそ、基本の「卵かけ御飯」の派生「卵チャーハン」を教えたのだ。
「リョ、リョータ…ほ、他に教えて貰えるか?」
「・・・いいけど・・・お腹の音が聞こえた人が居るのは無視していいの?」
さりげなーく空腹な人物が居るんじゃない?と指摘して、バツが悪そうにメイスンは、1品だけ教えて貰うにとどめてくれた(らしい)
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