第233話:御飯と味噌汁で朝食

 翌日、米は炊き上がっており、目覚まし変わりのスマホが時刻を告げ、洗面所に向かい顔を洗う。


 そのまま台所に向かい「味噌汁」を作る準備を整える。


 冷蔵庫から出汁入り味噌を取り出し、外保管していたジャガイモを1個、取り出した所でピーラーを買って無い事に気付きガックリなってしまう。


「又やらかしてるよ・・・」


 小桜たちは呼び出す事が無い為、ずっと影に控えているのだが、食事は不要らしく、小言を言われる事が無いのが救いだった。


 サクっとピーラーを購入してジャガイモの皮を剥いて行き、剥いた皮を見て


「この生ゴミってバイオ燃料とかになってたっけ?

 何にせよ、機械を買ってないから今はそのままだな」


 味噌汁の中に入れる形としては半月の方が火の通りは早いだろうが、ここは異世界。


 時間短縮と言う方法を取れるんじゃないか?と考え、満月の形でジャガイモを切って行き「時短」がスキルとして記録された。


 鍋に水とジャガイモを投入、沸騰させ「時短」を発動。


 ジャガイモが柔らかくなるまで、普通なら時間が掛かってしまうが、数分で柔らかさが出てくれて助かった。


 味噌を入れて微調整して行く。


「・・・ん…これくらいだな」


 自分好みの味噌汁が完成し、炊き立て御飯を茶碗によそい味噌汁を入れ、本来なら鮭も焼きたい所だが、俺の胃袋は今は小さいから、そんなに食えぬとかせぬ。


 それでも白米を食せる嬉しさに顔がニヤける。


「・・・いただきます」


 右手に箸を持ち左手に茶碗を持って一口分を箸でつまむ。


 口に運んで行きフーっと少しだけ冷ましパクリと口に入れモグモグ。


「うんまぁ~…日本の米と遜色なしだわ」


 家畜の餌として売られていた「白米」は日本の「米」と遜色がないと判った為「こしひかり」や「ひとめぼれ」などの品種を持って行ったとしても「見た目が同じ」な為、聞かれたとしても「家畜の餌として売られてる」と言えば嫌な顔をされ、それ以上の絡まれはされないだろうと踏んでいる。


 こうなったら某有名牛丼店の肉汁マシマシの持ち帰り用か市販品を買って「特製異世界牛丼」作りたくなって来た。


 初日は「おにぎり」を持って行く事にしているが、何も言われなかった場合は牛丼を作って行くつもりでいる。


 牛丼の素を買うのは、帰宅してからでも遅くないか?


 肉汁多めが市販されてるかは、些か疑問だけどなー。


 ある事を信じて「握り飯」作るか。


 三角の容器を用意し、ご飯を1個分、手のひらに乗せようとして


「そのままじゃ火傷するじゃん。

 耐熱でいい・・・」


      ピコン♪


「・・・やっちまった」


 勿論「覚えて」しまい、追加されてしまうが、4つ分の御飯に塩を適量まぶし、中央部分に鮭と梅を入れ、塩むすびとゴマ塩むすびを用意して行き「ご飯食なら」と予め用意(購入)しておいた握り飯専用弁当箱に入れ、戸締りをして学校へと出発したのだ

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