第115話:監禁されちゃいましたが・・・
* * * *
翌朝、リョータが自室として使っている部屋の前に、細心の注意を払って来たマッシュがいた。
その部屋から「1歩も出られない」ように魔法陣を展開させ、リョータを「閉じ込める事」にしたのだ。
(ふふふ・・・これで…これで俺への評価が変わってくれるだろう)
1階なので扉を固定させたとしても逃げ場は森側にあるのだが、そこまで頭が回っていないマッシュ。
勿論、リョータは部屋の入り口が魔法で固定されてしまった事に気付いている。
(ん~…こんな簡単な固定魔法じゃ破るの簡単だけど、こいつに雷が落ちるようしなきゃだな…)
【もしかして
早速、彼が仕掛けて来ましたの?】
(うん。部屋への監禁だね)
【…馬鹿ですの?
森の方へ脱出できますのに、
そちらへの魔法は展開されてませんわよね?】
してないねー。そこまで頭、回ってないんだろ。
【馬鹿すぎますわね】
そうこうしているうちにマッシュはリョータの自室から離れ、自分の部屋へと戻って行く気配がした。
さて、このまま大人しく部屋に監禁される訳に行かないからな。
【どうなさいますの?】
何かあれば頼ってくれって言ってくれたワイバーンに「暴れて貰う」んだよ。
ついでに強い魔物がいるのなら一緒に来て貰いたいとも言っておくかな?
【…腹黒ですわね…】
協力して貰えるであろうワイバーンに来て貰い、更にはリョータでなければ対応は不可能な魔物に来て貰い「いない事を不思議に思われ監禁されてしまっている事」に「気付いて貰えれば」と考えたのだ。
ワイバーンを纏める隊長と呼ぶべきかな?
怪我を負い俺に助けを求めてくれた彼、聞こえてる?
〖えぇ。どうされました?〗
実は、とある人物から学生寮に監禁されちゃってね。
出るのは簡単なんだけど、先生とか親に知らせたいんだよね。
〖…なるほど、我らが襲撃しに来たと思わせて慌てさせ、
棘を抜いてくれた人物がいない事に気付かせる、
と言う事ですね?〗
そう言う事。で、君たちワイバーンより強い存在に知り合い、いないかな?
〖でしたらドラゴンがおります。
彼らにも助力を願いましょう〗
おぉ!ドラゴンがいたんだね~。
大勢のドラゴンさんに協力願わなくて良いから、お願いしても良いかな?
〖勿論ですよ。
私の怪我を治して頂きましたから手助けは何時でも致しましょう〗
こうしてリョータは、マッシュに対して「ざまぁ」を発動させる事になった。
【主…ドラゴンが来るのですか?
生徒と言うのでしたか、
彼らがパニックになりますわよ?】
「そうなった原因がマッシュだと判ったらどうなると思う?」
【え…?あ…】
言われた小桜も気が付いた。
ワイバーンが襲来すれば必ずリョータを呼びに走るだろう。
だが、リョータの部屋にはマッシュが掛けた魔法が構築されて出られない状態。
その事を先生に報告すれば親に連絡が行き、言葉の雷が落ちるのは確実。
パニック状態に陥った原因がマッシュだと判った時点で処遇がどうなるかは明白だろう。
じわり…じわり…と自分で自分の首を絞める事となっているとは知らないマッシュの末路は決定してしまったと言えるだろう
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