第114話:試験結果も優秀で…

 爆発寸前まで追い詰められたマッシュ。


 何をやってもリョータに勝てず、敗北の一途をたどっていて、最終的には中間試験の順位表が「とどめ」となった。


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        中間試験順位(100点満点)

1位:リョータ         100点

2位:○△□・×××       90点

3位:マッシュ・ホワイト    85点

     ・

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「おぃおぃ、

 1位を独占していたマッシュが3位に落ちてやがる」


「途中入学のリョータ君が1位なのは、

 努力のたまものかしら…」


「しかも満点とか…すげぇとしか言えないな」


 試験…と言えば筆記が主なのは日本と同じなのだが、魔法学校ならではのテストも入っているのだ。


 魔術構築の試験から魔法陣を展開させ召喚する試験も加わっており、授業での結果がテストの点数として加算され、リョータは満点を叩き出したのだ。


(…うん…これで立たなくていいフラグ、立ったよ)


あるじ?フラグとは旗と言う意味ですの?】


 その意味も入ってるけど、この場合はアイツから何かしら仕掛けられる事が決定した…って意味も入るんだ。


【…所謂いわゆる

 面倒ごとが起きる事になった、

 と言う事ですのね?】


 そういう事。奴を見れば判るだろ?


 小桜がマッシュに視線を向けると、リョータに対して殺気を放ち、目は血走っていたのだ。


【主の命が狙われてますわね】


 やっぱり、そうなるよねー。


【冬休みでしたか…間もなくでしたわよね?

 どうなさいますの?】


 森の中に作った家で過ごすしかないでしょ。


 そこなら冒険者としてリッツェとアヴェル以外の場所で依頼は受けられるし、冬ごもりするにも在庫は確保しなきゃだからね。


【主の能力と言いましょうか、

 魔道具でしたか、

 そちらを使えば外に出る事も無いでしょうに…】


 そうなんだけどさ、やっぱ冒険者としての動きを忘れたくないし、他の魔物に遭遇した場合の対処法を確立させておきたいからね。


 さて、に絡まれる前に退散、退散っと…。


 誰にも気づかれる事なく、廊下から寮へと戻る事が出来たリョータ。


 マッシュはキョロキョロとリョータの姿を探すが、時すでに遅しである。


 彼の堪忍袋は既に切れており、誰も止める事が出来ない状態だった。


(あいつ…寮に戻ったのか?だったら1人部屋だよな)


 何かを企み、顔が歪んだマッシュ。


 それに気づいた他の生徒は教師に、リョータが危険な目に合う「かも」知れない事を「告げ口」に向かう。


(あいつヤベぇ。リョータが殺されちまう可能性がある)


(先生に報告に行きますわ)


(頼む。俺たちは奴の動向を見張っておく)


 教師からの雷と校長からの雷、更には親からの雷が落ちる事になるのだが、今のマッシュに「そんな事を考える余裕」なんて皆無なのだ

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