第319話:職人に説明

 2名の偽物を排除(?)した状態で、残った馬車職人3名、魔法道具職人3名には携わって貰う事柄を説明すべく、リョータを伴ったレイが、控室として作った場所へと向かった。


~室内…選ばれし職人side~

「これから何に携われるか判らないが、

 あの2名は職人ですらなかったから良かった…

 と言っていいのだろうな」


 魔法道具職人の1人…ノアが口火を切り話し合いを始めた。


「そうだな、俺らが関われるのは嬉しいが、

 偽物たちと一緒は嫌だったし…」


 同じく魔法道具職人のジェイコブが嫌そうな顔で答える。


「馬車職人の仲間も奴らを厄介者として扱っていたが、

 道具職人にも迷惑かけてたんだな」


 馬車職人、ウィリアムが申し訳なさそうな顔で、ジェイコブに視線を向けた。


「名前、聞いてないから言えないけども、

 それは馬車職人である君の所為せいではないだろ?」


「ああ、そうか。自己紹介して無いな。

 私は馬車職人でウィリアムと言う。

 この2名は、ジェイデンとローガンだ」


「私たちも名乗っておこう。

 私はノアでジェイコブとルークだ」


 互いに名乗りあっている現場を見たリョータは「これなら協力し合って作ってくれるな」と思えた。


「職人の皆様、ご紹介したい方がいるのですが…

 早速、漏洩禁止事項ですので集まって頂けますか?」


 6名がレイの声に反応し、ドアの方へと顔を向け、何を聞かされても驚かず漏らさないとばかりに頷いた。


「代表して私ノアが漏洩しない旨を宣言しましょう」


「では…これから皆様に作って頂く事になる品を考えて下さった…」


「初めまして俺は見た目、子供ですが中身が大人な状態で、

 転生したリョータと言います。

 俺が提案したのは移動を楽にする乗り物の開発。

 根本は馬車なので馬車を作る職人と、

 付属する品を開発できうるであろう魔法道具職人を、

 レイさんに願い出ました」


 転生者!?と言う顔になるのだが、流石と言うべきか…驚きはするが声に出さないでくれた。


「…その…移動が楽に…と言われましたが…

 私たちで作れるのでしょうか?」


「ええ、先ほども申しましたが、

 基本は馬車です。

 魔法道具を組み込む事になるとは思いますが、

 職人さん…と言う事はスキルがありますよね?」


「「「ああ」」」「「「そう言う事か」」」


 前半は馬車職人が、後半は魔法道具職人が声を上げ、納得した。


「まずは形を作って頂く事になるかと思いますが…

 魔法道具を何処に設置すれば良いか…と言う相談も、

 した方が良いでしょうね。

 魔力を充填できる石…と言うのが存在するかは、

 本職に聞かなければなりませんが…

 紙面上で此処に設置したほうが良いか、

 などの話し合いは出来ますよね?」


 ウィリアムが


「勿論、それは容易く出来るだろう。

 道具職人ならば、邪魔にならず、簡単に設置できる場所…

 と言うのも考えて貰えるだろうからな」


 と答えるとノアが


「ええ、違う職業とは言え、

 意見を言い合い、基本の形を紙面上に表現する…

 と言う事は出来ますね」


 と答える。


「図案はレイさんに預けてますので、

 見た感覚から意見を出し合って、

 良い形に変更して頂いて構いません。

 勿論、見た目ですので詳細な図案はありませんので、

 予測値で意見を出して頂ければと思います」


 こうして職人たちにお願いする事となったリョータは、鉱山に向かい、聞かなければならない事を教えてくれると言ってくれた彼に聞く事にしたのだった

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