第398話:設計図は誰に頼む?(2)
「レイさん、商業ギルドで図案を書き写せる職人…
紹介して貰うのは有りかな?」
と尋ねてみたのだ。
「そう…だな。
私の商会には
居るのも知らなかったからな」
商売敵の職員は知ってるのに自分が知らない事が、よほど悔しかったのだろう。
色々な情報を集めて穴が無いようにしなければ…と言うような顔つきになって居た。
「…取り合えず行って来る…」
思考の海に嵌ってしまって居る雰囲気のレイを残し、商業ギルドが有るエリアへ向かい始めるのだが、商売敵の記憶を無くした人物とは別の職員らしき男性が、尾行し始めた事に気付いた。
(…商売敵…だっけ?レイさんの商会に紛れ込んでた人とは違うけど、自分ところの商会に持ち込まれなかった事が余程、悔しかったんだろうな)
尾行されてるのに気づいて無い風を装い、商業ギルドの前を通過…そのまま森につながる門へと向かって行く。
(あれ?何処かへ行くと思ってたんだが…帰宅するのか?)
リョータがリッツェ内に居を構えて無い事は把握して居るようで、何かしらを仕入れる、若しくは職人を雇い入れるのだろう、と予測して居たのに当てが外れ、本当に帰宅する様を確認すれば尾行を止めるつもりで居る男性。
「お?!リョータ帰るのか?」
「うん。今日の作業は終わったからね」
何かしらを「手伝って居る」と思ってる門番は
「まあ、お前の規格外だと言われてる魔法なら、
早く終わるかも知れねぇな」
とチャチャを入れた。
「買いかぶりすぎだよ」
「ま、お前さんなら危険は無いだろうが、
気を付けて帰れよ?」
「はーい」
スタスタと森の方向へと消えて行く様を影から見て居た商売敵の男性。
何だ、やはり帰宅するのか…と言う顔になり、自分の商会へと戻って行くのを確認すると、今でて来た門…北門では無く南門の森へと転移し、今から用事をしに向かう…と言う雰囲気で戻って行く。
「リョータ、今からクロフォード商会か?」
「うん。ちょっと忘れ物を取りに…」
「何だ、そそっかしいな」
「えへ・・・」
何の疑いも持たれぬまま、尾行して居た人物にマーカーを施し、位置を確認…姿を探られない位置だと確認できると、その足で商業ギルドへと向かったのだ。
* * * *
「すみません、品物を見ただけで描ける職人さんって、
どれくらい登録が有りますか?」
そう・・・職業名を教えて貰って無い為に、聞き方としては品物を描ける職人…としか言い表せなかった。
それでも商業ギルド職員は
「絵師の方なら今は1人だけね」
と職業と人数を教えてくれた。
「その方が暮らす場所を教えて頂けますか?」
「もしかしてお願い事でもしに行くのかしら?
その子…訳アリなのだけど…」
「一応、話を聞いて貰って駄目な時は又かんがえたいんです」
絵師…と呼ばれる職人がクロフォード商会に携われると聞いても反応しない場合は、自分の「出鱈目な魔法」を駆使して図案を描き出そうかと考えては居た。
「判ったわ…じゃあ彼女の工房は此処よ」
工房が有る場所を地図で示され、思わず…そこに居たんかい・・・と突っ込まなかった自分を誰か褒めて欲しい…と思ったリョータで有る
PS:7月20日より週1配信とさせて頂きます。
ネタ切れと、体調不良による作成スピードの低下が起きてまして^^;
ストックが少なくなり、毎日配信が難しいと判断いたしました。
投稿自体は止まりませんが頻度が遅くなります。
予めご了承下さい
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