第466話 閑話~クロフォード商会はパニック
リョータが交渉して居る一方で、異世界から送られて来た工場一式を見てスカウトされた職人たちがパニックに陥って居た。
「こっ…これは一体なんだ?!」
そう初めに声を上げたのは道具職人のハンターで、何を見て居るのかと言えば日本で言う所のベルトコンベア。
異世界では魔法で上部を道具(馬車の屋根など)が行きかうように作り替えられて居るのだが、それすら驚きの光景で有る。
「な、何だと聞かれてもリョータ殿が作られて居たとしか言って居ないではないか」
そう答えたのは魔法道具職人のノア。
確かにリョータは「異世界から送られて来たんだと思う」とか何とか言って居た筈。
とは言え職人としてはワクワクが勝って居たのは事実。
「しかし…異世界とやらではこのような動きでは無いのだろうな」
そう声を出したのはジェイコブ。
ノアと同じく魔法道具職人であらゆる魔法道具を見て来たからこそ異世界が異常だと想像したのだ。
「年長者のジェイコブさんでも驚くシロモノ…か」
魔法道具職人の最年少者ルークが仕組まれて居るで有ろう魔法を見ながらつぶやいた。
「周囲のモノを作って組んで色塗りして…何か聞いてた気がしたけど、これが衝撃的過ぎて覚えて無いぞ…」
目の前で組まれて居る馬車の土台を見て驚愕したのは馬車職人のウィリアム。
枠組みが作られた先で土台が組みあがり、その先でエンジンと車輪が組み込まれ…と言った流れで進むようになって居る。
同じく馬車職人のジェイデンは異世界の技術に興味津々。
(これだけの技術ならアレをアレに使えば…)
技術者らしく…は無いカモ知れないが異世界の物を参考に今居る領地に貢献できれば馬鹿にした者たちに逆襲できる…とばかりに「触り」はしないが
同じく馬車職人のローガンは馬車を職人の手…ではなく技術を使って組み立てる事に驚愕して言葉が出ずに居る。
(そんな馬鹿な事が有り得るのが異世界なの…か?我々が何か月も掛けて作る馬車をこんなにもあっさりと作れる技術が備わって居る…と?!
まあ驚くのは仕方ない。今のエーテルディアには無い素材が多く見受けられるからでも有る。
生地屋店主レックスと女将エリーナは、座る部分や背もたれに使われて居る布を触って居る様子。
レックス「こっ…この手触りの何と心地良い事か!」
エリーナ「本当に何を使えば此処まで柔らかくなるの?!」
レックス「それに椅子に布を張って居る方法…」
エリーナ「これは見た事が有りませんわ!」
鍛冶職人は趣向を凝らした作りに、鏡職人は全面部分(フロントガラス)の強度具合や横の窓の仕組みに、絵師は出来上がった見本の車を参考にして、更なる進化を遂げた図案(と言っても現代の車から見れば初期の車より劣る)を書きたそうにウズウズして居る…とまあ、あちこちから色々な声が飛び交うが、リョータが「しれっと」施してたらしい防音効果で外には漏れ出なかった(らしい)
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