第465話 商業ギルドでの相談3

「早速…とは言え、未だ作られては無いのですよね?」


 相談から交渉はたまた商談…まあ何とも言えない「相談事」が始まった。


「はい、今は未だ送られて来たばかりで、職人さんたちが色々と確認段階ですね。

 実験施設も私が確認しただけで、そこまで運ぶ方法も考えなければ、

 他の馬車を扱う場所に知られて大騒ぎになりかねない、と思います」

「・・・確かに。出来てないにしても出来れば安全か?の確認をその実験施設…

 と言う場所で…あれ?ムーア様の裏山には神が宿ると言われ、

 開拓などは許可されて無かったかと思うのですが…」


「ええ。神様はいらっしゃいました。が、交渉させて頂いて自然が残るなら…

 と条件付きで許諾を頂きました」

「すごい…本当に鎮座されてたのですか…。

 んんっ・・・脱線しかけましたが、施設からクロフォード商会までの移動経路は考えてるのでしょうか?」


「うーん…転移の魔法陣でも書こうかと思ってるんですけどね、

 作り始めれば何台って保管しなければなりませんよね?」

「現時点では販売経路どころか販売場所も決まってませんから、

 それが決まるまでは…ですね。

 馬車の大きさが何台も置ける広さ…」


 そう言って町の地図(細かく何処に何が有るかが掛かれた物)を広げ

「ここは開拓できない。ここは狭すぎる」などと言いながら数台が置ける広さを有する場所を見極め始める。


(こんなに細かく地図が有れば空き家も有りそうだけどもー。

 日産とかルノーとかメルセデスとか車販売所クラスの場所って…

 見つかるかねぇ。まあ小さい販売所は有ったしな)


 などと考察して居たら


「ここ(クロフォード商会から見て右方向)の屋敷は没落してな、

 壊せば結構な広さになると思うのだが…どうだ?」

 と保管場所候補の土地の場所を指し示してくれた。


「一度、見てみないと判らないので行ってからでも良いですか?」

「勿論」


「それと…馬車はいくらで販売されてますか?」

「そうだなぁ…平民(一般市民)が乗るような幌馬車だと、

 2から4大銀貨。

 貴族が乗る馬車は5大銀貨から10大金貨くらいだろうか。

 ただ王族ともなれば大白金貨(1000万)クラス…だな」


「は?白金以上の金貨が存在するのか?!」(聞いてないよー!)

「あ、ああ。王族のみが使うから聞かないのは仕方ないぞ?

 それと、くるま…だったか?その名称で販売するつもりだろうか」


「一応、異世界あちらでも車って呼んでますからね。

 車、電車、バス、新幹線、飛行機…色々、乗り物あるんですが、

 のは車だけでして…。

 それに万が一、他の電車や新幹線が送られて来ても再現、不可能ですから…」


「それは…作るのが難しい?」

「ええ。電車と新幹線は土地の確保が問題になってきます。

 線路と言う物を敷かなければならないですからね。

 さらに自然を壊さなければ作れないんです」


「確かには・・・」

「脱線してしまいましたが、販売経路はお任せしても?」


「ええ。私にお任せ下さい。他者に気付かれないよう動きましょう」


 こうして販売経路の心配は無くなったが、土地の場所を確認しなければな、と思うリョータで有った

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