第464話 商業ギルドで相談2
ギルマスとの相談(交渉とも言うかも知れないが)が始まった。
「ようこそ商業ギルドへ。ギルドマスターのレスターと申します。
本日はどのようなおつかいで?」
「(まあ見た目が子供だから「おつかい」って思っても仕方ないか)
実はクロフォード商会から新たに販売したい品が有りまして…」
そう伝えた瞬間「あ、これ、おつかいでは無い」と瞬時に感じ取ったギルマスの態度が一変する。
「!?そうでしたか、それは失礼致しました。
販売したい品は君が開発者?」
「(へぇ…人を見る目は持ってるんだな)はい。
秘匿して頂けるのでしたらボクの正体を明かせるんですが…。
まあ、それは後にして販売したいのは見た目は馬車ですが、馬が不要の乗り物…
クルマと言う物を今、作成中でして。
販売経路を構築したとしても他の商会に真似されたくないんですよ」
「クルマ…ですか。
それは作られた暁にはクロフォード商会のみで売りたいと?」
「えぇ。
出来れば…では有りますが、難しそうでしたら販売のみお願いしても構いません」
独占販売も可能な状態で「他者での取り扱いも可能」としたの事にギルマスは驚いた。
「…独占的に販売も出来るのに何故・・・」
そう伝えられた瞬間、リョータは防音の魔法を掛けた。
「作成に関しては異世界の神々が携わってしまってるので、
教える事は不可能なのですよ」
「!?いっ…いっ…異世界とは…」
「ああ。誤解無きよう言わせて頂きますと聖女召喚とかではなく、
異世界転移では有るのですが中身が大人なんですよ僕」
「・・・は・・・?見た目は子供で中身が大人?と言う事ですか。
それを知ってらっしゃるのが・・・」
「クロフォード商会のアイザック様とレイ様…
そして製造ラインで働いてくれる皆さんですね」
「それで異世界の神々が携わって居る…と言うのは?」
「まず、走らせる実験をする場所として、
オリバー・ムーア様の裏山をお借りしたんですが、
そこが神様によって作られてしまいました。
次に見本のクルマ…と言ってもボ…私が乗ってたモノ…
種類では無く、初期に作られたクルマが贈られてきまして。
察せられましたでしょうけれど、製造ラインも作られ材料…
こちらでも作れるで有ろう材料も送られて来ました」
もう説明を受けたレスターは「口ぽかーん」状態。
そりゃそうだ。何もかもが規格外で作られる新商品…。
他の商会が欲しがったとしても作れないだろうな、と思ってしまう程。
とは言え売ってくれる、と言うので思考を軌道修正した。
「・・・それは・・・何とも・・・凄い事が起きてたんですね。
そのクルマが完成した時の販売ルートを確立したい…と言う事ですか?」
「クロフォード商会だけで売れば
『アレは何だ?我が商会でも売りたい』ってなりませんか?
だからこそ、クロフォード商会で販売を始めて他の商会に売るのを託す事が出来るくらいに作られたらお願いしたい…が正直な所ですね」
とんでもない事柄が持ち込まれた…と思ったギルマスは部屋の防音を強化し、
誰も入れない状態にして相談事を詰める事にしたのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます