第4話:降り立ったのはリッツェと言う領地で・・・
道なき道を冒険者の人に抱きかかえられた状態で進む・・・どんな苦行かよ?とも思うのだが、子供の足では到底進めないであろう事は直ぐにでも察知できた。
何せ今のリョータは素足…靴を履いてなければ、足裏を怪我してしまうくらいの道なのだ。
大人の腰ほどの高さまで伸びた笹に似た植物が乱立、巨岩を上り下りしなければ人道に行けないらしい、あのまま見つけて貰えなかったら・・・と思うと・・・ぶるりと悪寒が走った。
「移動しながら教えられる事は伝えておくわね。
ここはリッツェと言う領地なの。
君がいた森はリッツの森と呼ばれ、
冒険者ギルドに登録した冒険者たちが、
討伐に入る場所でもあるのよ」
「もしかして僕・・・とっても危なかった?」
めっちゃ危険な場所だったんかい。
と突っ込みたいが相手がいないとか・・・
「気付いた時に森だった・・・って言ってたけど、
あの場所では無いでしょう?」
「うん・・・あの場所から右方向かな?
かなり歩いて来て不安になってたから・・・」
「・・・森の最奥に捨てられたのか迷い込んだのか・・・判らんが、
反対方向(右側方面)に行っていたら命は無かったぞ」
「え・・・(マジか・・・左に倒れて良かった)」
「そうだハンナさん、
魔力を測る道具は孤児院にあるよな?」
冒険者の男性が思い出したかのように、道具の話を持ちだした。
「あ、えぇ。ありますわ。
彼の魔力と適性を測ってみましょう。
そうすれば身分が無くても冒険者にはなれますし、
10歳くらいなら学校で学ぶ事も可能ですものね」
魔力を図る道具に勉強と言う言葉・・・内なる年齢35にして再び学校とか目が点になるのは仕方ないだろう。
でも待てよ?勉強って地域の事も学ぶだろうけど、魔法の使い方とかも習えるのかな?ちと聞いて見るか。
「ねぇハンナお姉さん、
学校って何をする所?」
「基本的な学びと魔法の使い方、
魔法での戦い方を学べる場所よ」
(マジか!!それなら学ぶ一択だぜ!)
「僕でも行けるの?
身元が不明でも行けるなら僕、
行きたい!」
「ふふふ。
孤児院で保護する事になるでしょうから、
無料で学べるわ」
「やったぁ!」
マジか・・・年齢いくつからってだけ決まってるって事か。
凄いな。
「見えて来たわ」
入り口・・・うん・・・突っ込んだら負けな気がして来た。
入り口の両サイド、中世ヨーロッパにいたであろうゴツイ鎧に身を包んだ騎士が槍を持った状態で検査している様が見えた。
これって文明が発達していない証拠だろうな。
歩きか馬車で通過してるし、騎乗で通り抜ける人は
冒険者の男性に抱えられた状態で門に到着、すぐさまハンナさんが手続きを開始した様子が見える。
疑問を感じたリョータは、自分を抱きかかえてくれてる冒険者の男性に聞いてみる事にした。
「ハンナさん、
何してるの?」
「ん?ああ。
あれな、リョータを森で保護したと申請しているんだ」
「へぇ・・・」
あー…確かに異世界転生物には町に入る時、審査がてらに身分を証明できる何かしらを見せるってのあったな。
持ってなければお金を払って…とか犯罪履歴を確認して…てのもあったし。
「護衛ありがとうございました。
料金はギルドに届けておきますね」
前払い制なのかと思ってたけど、後払い制なのか?
現状じゃあ把握する方法ないから何とも言えない…か。
「ああ。
(リョータを指し)コイツを何に仕立てるか知らんが、
冒険者にするならギルドにも登録しとけ」
「判っていますわ」
やはり護衛依頼だと思ってはいたが、薬草採取に護衛?と言う疑問があった。
それが解消されて良かったのだが、抱きかかえられていた状態から降ろされ、子供な目線に戻ったので慣れるまで一苦労しそうだな…と内心、溜息を吐き出すしかないリョータだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます