第5話:能力判明したけれど
ハンナさんに手を引かれて・・・は流石に恥ずかしいので、ハンナさんが子供が歩く速度で歩いてくれてるらしく、その後ろを追いかける形で孤児院へ向かう(キョロキョロ見回す余裕は無かった)。
「リョータ君、あそこが私の運営する孤児院よ」
「うわ~・・・」
・・・どう見てもバロック様式に近い。
写真やネットで見た事のある教会っぽいけれど、デカイ。
「見た目10歳くらいだけど・・・年齢も忘れてるかしら?」
「多分10歳だと思うんだけど・・・
覚えてないです。ごめんなさい」
すみません・・・嘘です内側35歳。
「大丈夫よ。
魔力を測る道具で調べると、
名前や年齢も判るようになっているから、
確定させちゃいましょ」
やばい・・・マジか。転生者ってバレたら、どうなる?
魔道具でステータスが見えるようになる・・・って事は「転生者」だと言う事を「隠す事も可能」って事?出来るなら隠したい!
隠せるものなら隠したい…と思ったのが功を奏する事となるのだが、この時は気づいてなかった。
ハンナさんに案内されながら孤児院の一室に通されると、そこには占いの館とかで見るような水晶玉が置かれていた。
南無三・・・。
「リョータ君、
この水晶に右手を乗せてくれる?」
「う、うん・・・乗せた瞬間に壊れたりしない?」
未知なる品に触れるのって意外と、恐怖を感じるんだな。
恐々、近づく俺を笑う事なく、暖かく見守ってくれる眼差しは、流石聖職者。
「ふふふ。例え膨大な魔力の持ち主でも、
この道具は壊れたりしないわ」
「へ、へぇ・・・」
魔力が多すぎて「ドカン!」や「パリン!」は無いって事か。
ゴクリ・・・と唾を飲み込み腹を括る。
水晶に手を乗せると、右側の壁に今の俺が持ってる名前や魔力が表示されたんだが・・・数値、おかしくないかい?
~~~~ステータス~~~~
リョータ・スズキ【隠蔽中:鈴木良太】
10歳【隠蔽中:35歳】
魔力:Ex【隠蔽中:
魔法属性:全属性
魔法:【隠蔽中:なし/覚えた魔法が追加される】
Lv:Ex
職業:未定
スキル:なし
【隠蔽中】特定スキル:テイマー、
称号:なし【隠蔽中:転生者。神に愛されなかった男】
~~~~~~~~
えっと・・・ハンナさん、現在フリーズしておりまして復活の兆し、御座いませんが、どうすれば良いのでしょうか。
それにしても「転生者」は判る・・・判るんだが、何だよ「神に愛されなかった男」って文言とレベルのExって何さ。
普通「女神に愛された男性」とか「神々の祝福を受けし男」とかありそうなのに、これって見放されたって事?
レベルのExってのは…もしかしなくても最大限なレベルって意味か?
【・・・そうでは無いのだが、
そうついてしもうたんじゃ】
ん?「ついてしまった」って、どう言う事・・・ってか誰?
【ワシか?
ワシは
そして、そなたを見守るしか出来ぬ存在。
そなたに何も説明できなかったのは、
何となく察した。地球が上位惑星でエーテルディアは下位惑星って事?
【そうじゃ。
本来なら精神世界で説明せねばならん所なんじゃが、
そなた
あぁ・・・そういう事。神社仏閣へ行く事が「少なすぎた」故に説明が省かれたって事ね。
【すまぬな。
じゃが、
これから学ぶで有ろう魔法に関しては教えて貰えれば貰う程、
チートな能力となるのは間違いない】
了解です。ハンナさんが復活したら記憶喪失を通しておきますよ。
そう告げると異世界の神様からの声は途切れ、慌てふためくハンナさんの姿が目に飛び込んで来たのは言うまでも無い(神様の声が聞こえた時、周囲の時間経過が止まってたらしい)
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