第276話:施設の仕上げと忘れてた事
温泉に入るには着替える場所が必要で、リョータは男女別の着替えスペースすら骨格を作っていた。
小桜はカモフラージュでテント前にいる為「お小言」を言われない。
だからと言って「ヤリ過ぎ」てしまってるな…と自覚はするが反省はしないのがリョータだ。
「ヤリ過ぎてんなぁ…でも安心して着替えて欲しいし、
入って欲しいからなぁ…」
とか何とか理由を付けて建物を完成させて行く。
初めての場所となる為、男女共に図解のような説明があったら便利かな?と思ってはいるが、単純なイラストで判るか?と言う不安が残る。
しかし今は、施設の完成と風呂として使えるように形を整える事が先だと切り替え、浴槽部分から脱衣所まで森に飛んでは適度な感覚で木を間引き、ボックス収納で運び加工し…とヤリまくって浴槽部分と脱衣所を完成させた。
次に作るのは男女スペースに供給する湯の導線。
絶えず溢れさせる…のではなく掃除をする時は止められるようにした方がいいかな?と思っているのだ。
「うーん…
大抵は源泉に元栓のような開けるって言い方でいいんかね。
バルブみたいなのあった気がするんだよなぁ…。
円形で回すタイプが主流だったような気もするが、
こっちで見た事ないんだよなぁ」
地図記号で言う所の警察署…みたいな形の元栓…と言うのだろうか。
リョータが思い描いたのは正に「それ」で、マル印の中にバツが書かれてる形を思い浮かべているのだ。
ただ「それ」は日本での主流で、異世界に金属など存在しない現状がある。
だがリョータは「錬金を試験的にしてたら出来ちゃった」と言おうかと腹黒く計画した。
形は円形ではなく取っ手…玄関に使われてるような形なら違和感ないかな?と思いL字の取っ手付きバルブを異世界にある石で加工…持ち手部分は木製にした。
源泉から繋ぐパイプ、バルブ、源泉を貯めておくタンクの役割を持たせた場所、男女別の着替えスペースを作った施設、暖かさが逃げないように仕切りを作り、出入り口は引き戸にして…と約3日を掛けて大まかな形が「出来上がって」しまった。
「・・・どこぞの銭湯じゃん・・・」
現在は男女の別は示されていないが、二カ所の入り口が出来上がっており、見た目は日本では少なくなりつつある銭湯そのもの。
誰もいない状態なので、女性用として考えた場所から中を確認し、源泉を引き入れ…と考えた所で
「あ、排水かんがえてなかった…」
と、汚れた水や運用中に溢れ出た水の出場所を考えて無かった事を思い出し、取り返しのつかない惨事になる前に気付けて良かったと排水構造を「考えて」作って行き、排水された水の行き場は、近くの小川。
当然、汚れたまま戻す訳でなく、ろ過システムを構築してから戻すつもり。
システム…と言っても複雑な構造ではなく、周囲にある竹を炭に加工して排水出口から小川まで何カ所かに置くつもりで作る気でいるのだった
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