第279話:戻ったテントで小桜お怒りモード

 3日掛けて完成「させてしまった」施設に隠蔽工作と言うか不可視を施し、テントの中へと戻ったリョータを待ち構えてたのは…


あるじ?かな~り悪い事なさいませんでして?】


 とお怒りモードで中へと入って来た。


 え・・・っとぉ・・・そのぉ・・・あ~・・・はぃ。


 警察24時などで悪い事をした犯人が言いよどむかの如く、最初のうちは「何とか逃げ切る言葉を出そう」と努力したものの、徐々に「出せない雰囲気」に圧倒されてしまい、最後には白状してしまう…と寸法をで行った。


リョータの内心は「何故バレた」ではあるが、職人から指摘された言葉を思い出し


 もしか・・・しなくても…顔に出て…た?


 と予測的な言葉を口に出した。


【それは、もうあくどい顔をしてましてよ?

 オンセンとか言う代物を作りに行ったにしては、

 ご機嫌な様子で戻って来てはヘンリーでしたか。

 かの御仁から教えて貰うのも嬉しそうに受けてましたし…

 何故、そんなに嬉しいのだろうか…

 と疑問に思われてましたが、

 知る事が出来て嬉しいのだろう…

 とグルリと1周回って違う方向に向いた考えをして下さってますわ】


…職人さんにも変に思われてた…って事?


【そうですわよ?

 襲撃された日は、

 よほど襲われた事に疲れ果てたのだろうと、

 考え極力、音をたてぬようして下さいました彼らですが、

 主がオンセンを作りに行き始めた辺りから、

 学ぶ事に喜んで戻っては眠り…を繰り返しておりましたので、

 変だなぁ…と思われてましてよ?】


 うっわぁ…。


 思えばそうだろう。


 職人たちが知りたい事があれば教えられるし、欲しい鉱石があれば売れる、と言われたにも関わらず、学ぶ事はすれど欲しい鉱石を言われたのは1度だけ。


 それも「見本でミスリルが欲しい」と言われただけで、テントに居続けている事に不思議がるのも仕方ない。


 変に思われてるのなら軌道修正すれば良いと思い、小桜へ考えを伝えて行く。


 あのね小桜、温泉施設は完成してるから小桜を案内する。


 でもね職人さんたちに言い訳するのに良い方法があるから聞かれても怖い顔しないでね?


【…どう言う事ですの?】


 現状、職人は学びに来たにしては鉱石を大量に欲しがって無いのに居続けてる事を疑問に思ってる、だったら、俺がテントに入って出て来なかった理由を知りたい薬草があったから本を読んで学んでた…って言ったら理由として成立するでしょ?


【…まあ…そう…ですわね】


(今サラっと完成してると言いましたわね)


 まあ魔法が無ければ3日で完成する施設じゃないんだけどねぇ…何せ色々と思い描いた魔法やスキルが備わっちゃったからさぁ…。


【納得ですわ】


 そ、即答?!そ、そりゃ~「ヤリまくった」事が多いけど、即答しなくても…。


【あら、即答されてしまう程に「ヤラかして」ますでしょう?】


 リョータは「ぐうの音も出ない」状態に陥ってしまっているが、怪我を負ってしまい、傷が残った小桜を影に入れ、テントを仕舞い、街に一度戻ってくるね~と職人に伝えてから森へと入り、転移で完成させた空間へ転移で向かったのである

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