第438話:リョータの料理指南?(3)
意を決したリョータが物の名前を覚えて無い風を装って
「まずね、これ(ボウルっぽい形の器を指して)何だけど、
御飯が残らないようにするのに肉を焼く時に使う液体…?
を塗るとイイんだけど名前…覚えて無くて…」
日本ならボウルはプラスチック製が多いから、レンチン御飯を入れたとしても「くっつく」って事は少ないから、そのまま入れてたが、異世界だと木製か割れやすい容器しかないっぽいんだよね~(見た感じ…)。
「これ(ボウル)なら器で構わないぞ。
で?肉を焼くときに使うのは肉油って言うんだ。
それをどれくらい塗ればいい?」
「(肉油って…表現方法もうちょっと何とかならんかったんか?)
えっと御飯が器に残らない程度だから何て表現すれば伝わるか…
判らないけど…そうだなぁ…絵を描く時に軽く塗るくらい?」
キャンバスが異世界でもキャンバスと言うのか判らなかったから、言葉にはしなかったが、メイスンは
「ああ、キャンバスに色を入れて行く過程くらいの薄さでいいのか…」
と読み取ってくれ、同じ言葉だったのかと突っ込みを内心で入れる。
「一応、炒め…って言い方でいいのかな?御飯を油で調理して行くから、
余り多くなくてイイんだけど…
これ(卵らしき物体を指し)何か教えて下さい」
「それか?バード系の卵だが、ニワートリと言う魔物の卵だ」
チョット…何でニワトリが魔物扱い何だ?いくら何でも…アレを魔物化って…。
「ソウナンダ…。それって普通は、どう料理するの?」
生で使う事は無いだろうが、割って溶いて焼く…と言うのが有れば、例え生で使ったとしても火が入れば微妙な顔にはなるだろうが、忌避感は出ないかな?と考えを巡らせる。
「一般的には割って黄身と白身を混ぜ合わせた状態で焼いたりするな。
お前さん…教えるよりリョータだったか、
自分で作って行く過程を見せてくれた方が早い気がするぞ?」
まさかの駄目だし?!と言う顔になったのでメイスンは慌てて
「いや、説明が駄目って言う訳じゃなくてな、
記憶が無い状態で品物の名前を聞きながらだと、
疲れてしまうだろうと思ってな…」
とフォローを入れてくれた。
「(あ、そう言う意味?なら…)言葉に甘えていいの?」
「手順さえ見る事が出来れば俺たち料理人は、
料理スキルと言うものを必ず持って居るからな、
再現は出来るだろう」
そんなスキル有るの?!とは思って居るが、最近、自分のステータスを見る事も無かったリョータが確認した時に「持ってたよ」と思うのは先の事。
「じゃあ…作って行く過程を見せたらいい?」
不安を抱えつつも「自作する様子を見て貰う」事になったリョータ。
生卵を使う時に「ちょっと待った!」が掛からない事を祈りつつ、温かいまま置かれて居た御飯を器に入れ、卵を別の容器に割入れ醤油の粉(以降「醤油」)で味見をし始めると、メイスンは「た、卵にショーユだと?!」と聞こえ、あれ?と思ったのは内緒
※438も書いて来ると何処に
「醤油」の別名が書かれてるか忘れると言う事態に陥りまして…
(メモっときゃ良かった^^;)
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