第437話:リョータの料理指南?(2)

 見える範囲に有る調味料は、鑑定を掛けて見れば理解できるのは出来るが、如何いかんせん「異世界読み」が「へっぽ…(げふん)」の可能性が無きにしも非ず。


 調理過程で聞くしかないかな…と思いつつ、料理長が冷静になるまで待って居た。


「すっ…すまなかった。

 動揺してしまって存在をすっかり忘れて居た」


「・・・早速ですけど、白米は温かい状態のしかない状態ですか?」


 ここん所を聞いて置かなければ今後の工程に支障が出る。


「白米は冷たくなってしまったのも用意はして居るが…

 それが何かに影響するのか?」


「はっきりした記憶が残ってないんだけど、

 これから教える料…工程なんだけど、

 白米が温かい状態のまま使ってた気がするんですよ」


 流石に同級生とか同世代に話しかけるようにはいかないと思って丁寧な言葉を使うが、めったに使わないから違和感ありまくりで有る。


「お前さん…話し方が堅っ苦しいから、

 話しやすい喋り方でイイぞ?」


「いっ…いや…いくら何でも年上の方に同級生と同じ言葉で喋る何て…

 出来ません!(喋りたいのは山々だけども、常識人としては無理ムリ)」


「別に構わんのだが…で?

 教える工程は温かい白米…そう言えば、

 白米の他に言葉が無いのかを知りたいのも有ったな」


「あー…んと…」


 まるで記憶を探るかの如く、考えてるように見えては居るのだが、リョータ的には「ごはん」って言葉、異世界に浸透させてイイのか?!と言う懸念から言いよどんでいるだけでは有ったが…料理長は、そうは思ってくれなかったようで


「わっ…判る範囲で構わないからな?!」


 と言ってきて慌てて


「い…いや、記憶に残っては居るんだけど、

 その言い方は独特だったんで…そのまま伝えていいのかなーと…

 悩んでただけで…」


 と答えた。


「そう…なのか?」


「うん。一応ね、白米は炊いて無い状態だと米っていうし、

 炊いた状態になると御飯って言い方になるし、

 ルーカス様からメイスンさんに試食として渡して貰ったのだと、

 握り飯とかオニギリって言い方に変化するの」


 一瞬、何を言われたのか判らなかったメイスンは、ぽかーん…と口を開けていたが、即座に復帰し何か書き留める為に用意してたのか、ポケットから紙片を出し、ペンシールで文言を書き留め始めた。


 チョット待トウカ料理人サン。ソレニ書キ留メル程ノ事柄ナノ!?


 その行動を目撃したリョータは呆気にとられ、書き終わるまで調味料(特に粉系)を1つづつ、確認して行く事にした。


 左から塩っぽい味の粉、胡椒っぽい粉、カレーっぽい粉、味噌っぽい粉…って粉かい…と内心で突っ込みつつ、醤油っぽい粉を手に取り、ひとつまみして「あー…1つまみで醤油1滴ぶんくらいっぽい」と確認できた所でメモが終わったのか、メイスンが戻って来た。


「そろそろ作業工程に必要な品を用意した方が良くないか?」


 あー…うん。一番そこが鬼門なんですけどねー…と内心ボヤきながらも気合を入れたリョータだったが、たどたどしい説明をしっかり受け止める料理長に驚くのは間もなくで有る

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