第89話:自宅建設は魔法で完成
建設途中の自宅がある場所まで人目が無い場所から一瞬で戻って来た。
ティングで10、リッツェで10…取り敢えずの本数を確保したんだけど…これ足りないよな?
【家屋敷…と言うのを存じませんが、
どれくらいの木材が使われているのか把握なさって無いのですか?】
小桜の問いかけは
俺が生まれ育った場所は自分で家屋敷を建てる人は少なくてね、専門家が木材を調達し、建てるのが普通なんだ。
だから基礎に何本、使われてるか?とか詳しく知らないんだよ…でも…見る限り、出来ちゃってるよね?
最初の伐採で手に入れた木材で骨組みは出来上がっている。
20本もの木材を切り出して見るのだが、足りなくなりそうだな…と把握するのは難しい状態だった。
壁板が張られ、玄関扉が作られ、2階へ上がる階段が作られ…と思い描いただけで作られて行く。
「余りそうも無いから5本、
追加を伐採して来るけど権太とゴマは…寝てるね」
小桜と一緒に伐採していない区域へと向かい間引くように5本、伐採した。
「あ~…
【そうですわね…わたくしたちは冬ごもりで動きませんが、
人族は重ねた衣装を纏っているのを見た事がありますわ】
じゃあ暖炉はあった方が良いね。
【森の中は町中と違い、
とても寒くなるのが早いですわ。
暖炉と言う暖かさを感じる品は必ず作って下さいまし】
作るなら1階だよね、組み込まないとな~…。
暖炉を入れこむ空間は無いのだが、リョータの「とんでも魔法」は無い空間をあるように作り変える事すら容易い状態だった。
* * * *
3時間後、立派な自宅が完成し
「チートすぎるだろーが!神様ぁ?!
ここまで魔法を凄くして欲しいと望んでなーいっ!!」
誰もいない森の中にリョータの嘆きが木霊したのは言うまでもないだろう。
それはそうだ、大工が数か月かけて建てる家屋をたった3時間で作り上げてしまった。
木造2階建て家屋…屋根には緑の色が塗られ、玄関扉は赤く、窓にはガラスすら嵌っているのだ。
どこからどうみても職人が手掛けて作り上げた家のように見えるほど、チート能力で作った家となってしまった。
出来上がってしまった家屋を潰す訳にもいかず、リョータは中へ入って行き、足りない品々をメモする事としたのだ。
「外観は立派だけど内装まで出来てないよね?」
【出来ていたら奇跡ですわよ?】
その奇跡が起きていると知らぬまま、玄関扉を開けリョータと小桜が目を点にしてしまった。
窓際にテーブルが置かれ、反対側に暖炉が作られ、台所が暖炉横に作られている。
風呂とトイレは別々ではあるものの、日本で見かける品と遜色がない状態で鎮座している。
2階へ上がる階段の先に勉強部屋すらある始末。
「・・・とんでもないね・・・」
【ここがこれでしたら上の階は…】
「言わないで…」
もう想像すらしたくないくらい内装も作られていたのだった
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